祐介先生、牟田さんこんばんは
祐介先生、今日は少しいつもと違ったお話しをしますね。
実は昨日こんなことがありました。私だけではなく歯科医院には毎日患者さんの他に沢山の方が出入りをします。入れ歯やかぶせ物を作る技工士さん、私の所は毎日3件の技工士さんが来られます。また、外部注文や書物、その他の物を運んで下さる宅急便や郵便局の方々、定期的に来られる清掃業者、その他の営業。そして何といっても患者さんではなくてもハロアルの活動を知り物資だけを届けて下さる地域の方々など、一日に何人もの人たちが受付にやってきます。しかし昨日、いつも通り郵便局員の方が来られた際、配達員が「お世話になります」と声をかけられているのに対し、私のスタッフが全く反応しないのです。もしかすると小さな声で何か挨拶でもしたのかもしれませんが、それも全く聞こえません。私はその後すぐに注意し、今朝の朝礼でも全スタッフに言いました。「どんな方が来られても元気な声で明るく挨拶する。仕事というより、人間社会の基本。特に医療に携わる者が常に明るく誰とでも接することができなくて、それを見ている周りの患者さんはどう思うか。」
私は言いました。「私達の中に患者さんや業者さん方々にどこか上から目線の気持ちがあるのではないか。」「医療に携わっていると日々患者さんに感謝されることで、自分たちが治してやっている、という間違った感情が芽生えているのではないか。」
祐介先生、私は20年間、フィリピンのスラムで社会的弱者とされる人達の支援を続けてきました。そこで私は改めて医療人として、一人の人間としての心の在り方を学びました。特に会長林先生からは事あるごとに今でも「先生と呼ばれる人間は常に謙虚でいること。稲穂のように誰よりもこうべを垂れ、誰にでも明るく優しく接する事。」と教えられてきました。私もハロアルで学んだ心を今度は自分の医院でもスタッフと共に浸透させ、ここに来たら心も体も幸せになれるようにと努めてきました。
しかし、なかなか難しいものですね。これも私の未熟さ故のことですが、毎日多くの患者さんに来ていただけている事、技工士さんが期日通りに毎日届けてくれる事、
仕事とはいえ多くの人が私達に携わって下さる事で成り立つ事をどこか当たり前のように感じ始めていたのかもしれません。
今回のことでもう一度、スタッフと共に「感謝」という本当の意味を考え直したいと思います。
ただ一つ。今受付には私の高校の同級生でもありハロアルにも長年参加しているマナトがいますが、身長180センチ、51歳のオヤジが受付で明るく挨拶もしないでモソモソしている姿は「異様」の一言です。このご時世モアハラ、パワハラなど言われますが、そんなことはお構いなしです。一発、後ろからどついてやりました。
2025年4月18日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人