2025.04.04 林会長のお便り

祐介先生、牟田さん、こんばんは。

 

 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは4つの柱で成り立っています。第1にフィリピンの恵まれない人たちが住んでいるスラムで無料の歯科治療。第2にそこで使うハブラシ、タオル、石鹸などを自分たちの周りの人に呼び掛け、提供してもらう。第3にこの活動を通して自分の生活の在り方を見つめ直してもらい、日本人の優しさや思いやりを思い起こしてもらう。第4にこの活動に高校生も参加してもらい、国際的に豊かな人に育ってもらうというものです。

 この活動にあたって特に気を配っていることは人に対して親切にするということです。とりわけボランティアは困難な立場にいる人の支援ですから、健常な社会生活を送っている人たちから「どうしてこうなるの」という思いを持つようなこともあるかもしれせん。どんなに大切なことであっても自分を奮い立たせることができないことだってあるでしょう。そんな時でも「あぁ、よかった」と思ってもらえるような気配り、心配りをしっかりやり遂げたいです。

 私たちは何もない日常生活を送っているとついつい忘れてしまいがちですが、自分の努力で両親のもとに生まれてきた人はいません。1億円の宝くじを100万回連続で当てるより難しい確率の中で生まれてきたのだそうです。ですから私たちが健康であろうとなかろうとこの世にいるというだけでものすごい幸運の持ち主だと言えるのだと思います。そういう幸運を持った人たちが100名以上集まって活動でき、事故も怪我もなく活動が終われるということはものすごいことだと思います。 毎年毎年前例のないことにチャレンジして、そのことごとくにいい結果が得られていること、現地のリッキーさんたちとの打ち合わせ、どんな困難にであったとしても何事もなかったかのようにうまくやりくりができること、そして最後には大きな感動に包まれ、多くの高校生がリピーターになって次の年のメンバーに加わってくれること、社会人参加の皆様がハロアルメンバーの礎になってくれ、翌年以降は一心不乱になって会の運営に協力してくれること、どれをとってもとても信じられないことばかりです。

 「やれやれ、今年の活動も無事終えることができた」と安堵する間もなく、「でも何か足りないことはなかっただろうか」「もっとしなければならないことはなかったのか」考えると安堵感とこれからまた頑張れなければという勇猛心に襲われ何とも言えない気持ちにさせられます。

 

 祐介先生、もしこの活動をしていなかったとしたらどうだったでしょうか。高校生の為に、参加させてくださった両親や親族の為に、又大切な高校生を預かっている高校の先生の為にこんなに頭を使い、身体を使うことなどあったでしょうか。そして帰ってきた後でこんなにたくさんの高校生の保護者の皆様から感謝の言葉を頂けたでしょうか。先週の最後に祐介先生が言っていたように「動けるものが動く、やれるものがやれ」その通りです。私たちが全ての人の命を守り、心を守る大切なボランティアの神様を守る人になろうではないですか。  202544日 医学博士・歯科医師  林 春二