2025.03.28 林会長のお便り

祐介先生、牟田さん、こんばんは。

 

 322日は軽井沢町の西隣にある御代田町の「エコールみよた」で開催したハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2025の報告会、ご苦労様でした。入場者は189名で現地活動に参加してくれた高校生のうち20名が活動に行って自分がどんな影響を受けたか、また今後の目標などを包み隠さず発表してくれました。会場いっぱいに埋め尽くしてくれた人たちの中からすすり泣く声や目頭を押さえる人など沢山いました。やはり体験に勝る報告はないなと感じさせてもらいました

 また2部制になった高校生発表の中間に入ってくれた「ハロアルレディオ」の祐介先生、関口先生の話もよかったですし、たった一人の医師、木村先生の歌と話も会場を(なご)ませてくれてとてもよかったと思います。固くなりがちな報告会の中に砂漠の中のオアシスのような穏やかな気持ちにさせられました。

 その後で一般参加者がご主人の旅立ちのすぐ後にもかかわらずお嬢様と参加してくれて、全てが日本とは違うフィリピンのスラムで体験したことがこれからの自分と娘の生き方に大きな力になった報告も非常に感動的な話でとても心を打たれました。

 私は今回の報告会では皆様のお手伝いが全くできませんでしたので本当に申し訳なく思いました。218日に胃がんの手術をして310日退院するまで順調に回復したわけではなく、むかつきや発熱、ときには痛みに悩まされ80を過ぎての手術というものの大変さを味わうことができました。それでも目が覚めるとベッドから離れ、顔を洗ったりお茶汲み場まで往復50米くらいの距離を何往復もしたり、できる限りのリハビリは続けましたが、毎食後に襲われる吐き気には閉口しました。これは全くトレーニングできないからです。そういう中で優しい看護師さんの声掛けは闘う力を貰いました。

 入院中も祐介先生や関口先生から激励のメールちょいちょい入ってきて、やせ我慢でも返信していましたが実際にはこの吐き気が一番大変でした。そんな中ハロアルレディオに送った文章で「鈴木さん」という看護師見習いさんとの出会いや彼の素直な反応が人の心を打つこと、そして素直にやるということが簡単なようで大変なことなどを書いて送らせてもらいましたが、ベッドに横たわり何とも言えない吐き気と戦いながら「素直」ということを実践することがいかに大変なことなのかということを考えていました。

 でも人から何か言われた時「ハイ」と返されると何があっても気持ちがいいものです。どうせ日本という社会の中で生きていかなければならないのですから誰もがこの気持ちの良い「ハイ」という言葉を素直に出せる社会にしたいですね。

      2025328

 

医学博士・歯科医師  林 春二