祐介先生、牟田さん こんばんは
今週の火曜日、私は東京臨海東ロータリークラブから29周年定例会の記念講話の依頼を受け、ハロアル・フィリピン医療ボランティアのお話しさせて頂きました。
この講演のもとは、私たちのメンバー、東京支部の新井先生がこの地区のロータリークラブに所属をしており、ちょうど2月の現地活動後、定例会があるため、昨年の段階から会長の林先生に依頼をされておりました。私はそのお話しを聞きしたとき、
是非先生の講演を私もお聞きしたく、カバン持ちでご同行させて頂く予定にしていましたが、現在林先生がまだ療養中であるため、急遽私がお話しすることになりました。
林先生は「人孝行」というタイトルでお話しをされる予定でしたが、未熟な私には
とうてい荷が重い内容でしたので、先生にご相談すると、病状のベッドからこんなメッセージが送られてきました。
「関口先生、私たちの一番大切にしているのは命であり、心です。歯科医にとって歯を守るということは命を守る番人になるということです。そのためにはいかに人としての心が大切か。それは高校生への教育や大人社会の仕事にも通じます。どれだけ見せかけだけの仕事をしても相手の心を動かすことはできません。ハロアルのボランティアも全く同じです。相手を思い、一生懸命やるからこそ喜ばれ、周りの人の感動を誘うのだと思います。それが巡り巡って自分の喜びとなり、世の中になくてはならない人に育ててくれるのだと思います。今までの体験から思いっきり先生の心の修練が大切なことを話してください。」
先生は恐らく病院のベッドの上でまだ体調もままならない中、私にメッセージを送ってくれたのでしょうね。正直、私はこの20年間、先生から「一、医療人の前に、一人の人間であれ」と、医療人に最も必要な事は人としての心、そしてハロアルを通じて、どんな時も相手の事を考え、誠実に謙虚に向き合うことの大切さをずっと教えられてきました。何百回、何千回この言葉を注入されてきたでしょうか。しかし、祐介先生もそうだと思いますが、いつ、どんな時にこの言葉を聞いても、まるで初めて諭された時のように新鮮で、素直に心の中に入ってくるから不思議です。そしてその度に自分の人生において道標となる人の存在に感謝をしながら、もう一度兜の緒を締めなおす気持ちになります。講演には新井先生のスタッフも来られ、ハロアルの歴史や活動内容、そして新井先生もまたボランティアを通じて成長した一人であることを話しました。会場ではスラムの現状に心を痛め涙を流されている方もいらっしゃいました。
こうやって全国でハロアルの芽が息吹、多くの方に知って頂けることは本当に嬉しいことですね。私も更にこの会が皆さんに愛されるように頑張ろうと思いました。
2025年3月7日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人