祐介先生、牟田さん、関口先生、愛人先生、こんばんは。
皆様から協力していただいて集めているハブラシですが、かなり点検して質の良いハブラシと旅館やホテルでもらってくるハブラシでは大分質が違っていてスラムの人達から不平の声が上がっているという事でした。そういう声が出ないように良質なもの2~3本とそんなに良くないもの7~8本合わせて10本にして渡しています。現地のボランティアも入りますので、中にはそんな気配りもせずに数だけ合わせてしまうケースもあります。ちなみに私はセブンイレブンで3本156円の歯ブラシを提供させてもらっています。皆様にもこれからハブラシ、タオル、石鹸を呼び掛ける際、「ホームレスが偉そうに注文するな」なんて思わずに、「日本人の優しい思いやりのこもったプレゼント」をしてもらいたいと思います。生意気なお願いになってしまって恐縮です。
今年の活動は歯科医師が35名と過去20年間で最高の人数になりました。「数は力」で今までより先生方の疲労は少なくて済んだのではないかと思います。それから今までは比較的若い先生でしたが、今回は30年以上もボランティアをやっている経験豊富な、他の団体で活躍されていた先生も参加していましたので、「ハローアルソンの精神」というか「方針」が十分に伝えきれていないためにかえって苦労させてしまったのではないかと反省しています。「ハローアルソン魂」はスラムの人であろうとなかろうと私達を頼ってくれる人には誠心誠意、真心で応えるという他の団体とは大きな違いがあると思います。
ボランティアで一番問題になるのが、「何人診たか」「どのくらいやったか」という数です。回数を重ねてくると前年より多かったのか、少なかったのか、他のグループと比較するとどうだったのか・・・・。まったく関係ないとは言いませんが問題にする必要はありません。一生のうちで一回限りの治療をする人も居ますから、その人にとって心から喜んでもらえたのかどうかという質や内容を問題にした方が良いのです。一生に一回しか診てもらえないかもしれない治療が乱暴とはいえないまでも雑だったり、配慮のない治療だったりしたらどうでしょうか。むしろ私達になんか診てもらわない方が良かったと思われてしまうのではないかと思います。
関口団長や祐介先生が、血だら真っ赤にならないように、「大変だな」と思ったらすぐ「ヘルプ」と声をかけてもらいたいというのはそういう事なのです。栄養がしっかり取れないうえに我慢ばかりしているスラムの人達の治療だからこそ細心の注意を払って、仏様のように優しい、温かな思いで治療してほしいというのが「ハローアルソン流の治療」なのです。決して効率よくとか、数多く見るためにということで雑な扱いにならないでもらいたいです。
最後になりましたが今年も現地の皆様にとても喜んでもらえました。リスナーの皆様もまた一年、友人や隣人に声をかけて頂き、1本でも質の良いハブラシ、タオル、石鹸が集まるように協力してもらいたいです。本当に有難う御座いました。感謝いたします。
2025年2月14日 医学博士・歯科医師 林 春二