祐介先生、牟田さんこんばんは
祐介先生、ハロアルボランティアの現地視察お疲れ様でした!私達は2月10日〜12日まで来年度のハロアルの現地活動のために最後の事前調査と会議、そしてマニラに保管している器材、材料の確認と準備に行ってまいりました。実はこのメッセージはマニラ空港の待合室で出発の飛行機を待ちながら書いています。あなたは今日の仕事とラジオの為に昨晩の夜中の便で一足先に帰国しましたが、私は今日の午後の便で帰ります。今回は来年3日間行われる医療活動の活動場所が一つだけ未定だったため、その確認も行いました。ホテルから約20分のエリアですが、正直、首都マニラのど真ん中にこれほどのスラムがあるとは思いませんでした。私が現地の代表に患者さんはどれくらいいるのか尋ねると、彼は笑みを浮かべながら、いくらでもいるよ、と答えたのがとても印象的でした。また、今回は改めて考えさせられる出来事がありましたね。私たちが夕食を食べる為に車で移動している時です。その通りはとても治安が悪く、路上生活者がダンボール一つの場所で寝ています。特に子供達が多く、夜中まで裸足で駆けずり回っては行き行く車に物乞いをしています。学校にも行けず、病気になっても薬一錠さえ飲むことが出来ない子供たちの足の裏は舗装もままならず、照りつける太陽の熱で熱くなったアスファルトによってまるで象のように厚く、硬くなっています。そんな中、私達がいつも利用するレストランで食事をしていると、あなたが突然、みんなでお金を出し合って安いお弁当でも作ってもらって、あのストリートチルドレン達にプレゼントしようよ、と言い出しました。そして私達は20個のお弁当を用意して車に駆け寄る子供達に渡しました。勿論、この行為には色々な意見はあるでしょう。ボランティアは魚を与えるのでなく釣竿の作り方を教え、魚を釣らせること、と言われる意味もわかります。しかし、私達は夕食中どうしてもあの子供達の姿が頭から離れず、わずかですがやってみようよ、と思わず行動に移しました。祐介先生、子供達にお弁当を手渡したときのあの嬉しそうな顔と、一目散にむさぼるように道路で食べ始める姿は本当に切なくなりますね。感謝される一方、20年間この国に訪れながら、何も変わらない光景、いや、以前よりも悪くなっているような貧富の差に心が締め付けられるような思いになります。来年111人のメンバーが参加をし、24人の日本の高校生たちが世界の貧困の現実を目の当たりにします。彼らはこの光景から何を学び、感じてくれるでしょうか。出発まで残り2ヶ月。しっかりと準備し、今回も素晴らしい活動になるよう、全力で頑張りたいと思います。
ハローアルソン フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人