祐介先生、牟田さんこんばんは。
今年は猛暑で暑かったなどと言っていましたが、11月も末になると例年通り気温が下がって木々の紅葉も最盛期を迎え、早いところでは落ち葉の鬼ごっこが見られるところもあるかと思います。これはこれで風情がありますね。
昨日28日は国会議員会館で「紙の保険証を残して下さい」という署名を国会議員に託してきました。現地に参集してくれた人は230名、ウェブ参加305名、国会議員22名、マスコミ6社8名で合計565名に上りました。集会では教員、福祉施設職員、難病疾病団体などが紙の保険証がなくなってしまうと当事者はもちろん、その人たちを支える人たちにとっても負担が重くなるので、IT化を進めるのは良いとしても紙の保険証でも利用できるようにして欲しいという切実な訴えがありました。
政府としても一旦決定したからといって強引なやり方にしたのでは国民の反感を買い、結果としてやらなければ良かったということになったのでは何にもなりません。
10月のデータによりますとマイナ保険証を利用している人はたった15%です。医療機関に報奨金として10万から20万出して利用促進対策をしてもたった15%にしかなっていないのです。これで紙の保険証を無くしてマイナ保険に一本化しようとしてもできる訳はありません。
紙の保険証をなくすまでに1週間を切った現在のマイナカード取得者は9313枚です。8割以上の人が紙の保険証です。この方が便利だからです。こういう状況で12月2日には紙の保険証をなくすなんて無謀すぎます。
そこで政府はマイナ保険証のない人には「資格確認証」を出すことにしています。ですから今のところマイナ保険証がなくても今まで通り保険治療は受けられますから心配しないでください。またこれが面倒臭いですが、マイナ保険証にしている人のケースです。今までの保険証を発行しているところから「保険情報のお知らせ」という紙のカードが届きますので必ずこれを持参して下さい。
今まで通院しているところでも急に停電したり、その病院が電気トラブルを起こしたりしてマイナ保険証がしっかり機能しないことがあります。その時はこの「保険情報のお知らせ」というカードがあれば今まで通り保険治療が出来ます。この「保険情報のお知らせ」がないと窓口負担が10割になってしまいますので、くれぐれもご注意下さい。
尚この「保険情報のお知らせ」はA4の紙の左下の部分にあるので切り取って使うことになります。今までの保険証と違って白いペラペラの紙ですから大切に保管しないと汚れたり千切れたりしてしまいますから注意してください。もしそうなっても申請をすれば再発行してくれますので心配はありませんが、なぜプラスチックにしてくれなかったのか残念です。そもそもマイナ保険証と以前の保険証を併用すればこんな無駄なカードを作る必要もなかったのではないかと思います。こういう費用をマイナカード利用者の医療費に振り替えてくれれば利用者は増えると思います。
2024年11月22日 医学博士・歯科医師 林 春二