祐介先生、牟田さんこんばんは。
今更ですが、今年の衆議院議員選挙良かったですね。自公民の一党独裁がなくなりました。私は弱者救済が政治の基本だと思っていますからどうしても今までの政権与党のように権力者優遇の政治に批判的にならざるを得ませんでした。強い人はどんどんやってもらったら良いです。下手に手を出さないほうが良いに決まっています。利益が出たら利益量によって累進課税にすればいいだけです。
私の基本的な考えの中には「デンマークデモクラシー」があります。デンマークがなぜ世界一の福祉国家になったのか、それを誰が望んだのかということです。この国を作り上げるために第二次世界大戦後一貫して障害を持つ人も健康な人もそして老若男女が同じように豊かな生活をするために、国民がこぞって現在の政治を作ってきたということです。すでに80年間その信念を貫いているからこその国なのです。
私が初めてデンマークに行ったのは松本市の市長選に立候補を予定していた、有賀正さんと一緒に世界7ヶ国の福祉を学びに随行させてもらった時でした。宮澤裕夫先生も一緒でした。30日に渡る旅行でしたがとても楽しい旅でした。
1987年のことでした。その時に見たデンマークの福祉の現場と私の訪問診療をもっと詳しく比較してみたくなり、デンマークだけの視察をしたいと思っているところに大阪や京都保険医療協会の人たち、奈良県の医師谷掛駿介先生達とデンマーク福祉の視察旅行に行く機会に巡り会えました。いくつもの福祉施設を見ましたがどれもこれも素晴らしいものばかりでした。
その時の視察は15~16名で、自分の聞きたいことも聞けない状況でした。歯科医の私にとっては医師を中心とした団体の中では特殊な質問になるため、燃焼しきれないところがありました。谷掛先生とはこれからは2人でデンマークの視察をしましょうということになり、以来20年にわたってデンマークの福祉を二人で勉強することになりました。皆様にお伝えしたいことは山ほどありますがデンマークと日本との違いは約束したらちゃんとやるという姿勢です。
約束事ですから、自分が損をすることも大変なこともあります。でも約束した以上、ちゃんと守って実行することがデンマークの基本です。政治家もそうです。公約したことは必ず守るということです。しかし対立する政党もあるわけですから、100%実行することなどできるわけではありません。ですから国民は公約の半分も実行してくれたら、その政治家は合格点をつけるそうです。
こんなことも聞いてみました。
「もし政治家が利権に絡んでお金をもらったらどうなりますか?」
「今までそんな例はないけれどももしやったらその政治家は二度と再び政治家にはなれない」と言っていました。
日本の自民党の皆さんにこのことを伝えたいです。
2024年11月22日 医学博士・歯科医師 林 春二