2024.11.15 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 

先週は楽しい時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。こうしてハローアルソン・フィリピン医療ボランティアのことを話しだすと時間がいくらあっても足りません。どれもこれも甲乙つけ難いいい思い出ばかりです。どんなことを聞かれても実際に自分たちが汗水流してやったことですから、あの時の・・・・、と言われればその時に戻ってなんでも答えられるような気がします。

実際家に帰って私の飼い主さんと話してみると、あの人にもこの人にもとありったけの人に番組に出させてもらうことを話してあって、たくさんの人の反応を聞かせてもらえました。勿論、最後は飼い主さんの批評ですから言われること一つ一つに素直になって、素直に聞いて、素直に「ハイ、そうします」と答えさせてもらいました。その反応も年毎に、経験を重ねるごとにだんだん良くなってきたように思えるようになりました。

何回か前のお便りに、今年は紅葉が始まる前に葉を落とす木があって今年は紅葉が見られないのではないかと書きましたが、ここに来てもみじが色づいてとても美しい紅葉になりました。特に軽井沢にある雲場(くもば)(いけ)、私たちは「お水端(みずばた)」と言っていますが、ここは水面に湖岸の赤や黄色に色づいたもみじが映ってこの世の景色とは思えないほどです。コロナのパンデミックが終わって観光客も増えました。軽井沢はコロナ前以上にお客さんが来ていて、ものすごい混雑になっています。特にこのお水端(みずばた)は観光客の方が何重にもなって紅葉を見るより人の頭を見ているような感じです。

今日、訪問診療に連れ出してもらいました。普段から話している患者さんではないので、とても新鮮な気持ちにさせられました。以前はこういうことが毎日のようにあったので正直なところ「たまにはゆっくりしたいなー」ということも無くはありませんでしたが、最近は若いスタッフの皆が頑張ってくれているので、こういう機会をどんどん作ってもらいたいです。

今日のお昼に買い物ついでに丸亀うどんでカレーうどんを食べました。私の前で親子がすでに食事中でしたので、正面の席で食べても良いか声をかけると「どうぞ」と優しい声が返ってきました。

私もうどんをすすりながらその二人に「話しかけても良いですか」と了承を取ってから「お母さんと息子さんですか」と質問をすると、二人仲良く「そうです」と答えてくれました。その瞬間でした。私は胸がいっぱいになって、もしも母がいてくれたらその母に声をかけたいという思いが(せき)を切ったように湧き上がり、「お母さん、産んでくれてありがとう」とお礼を言いたくなり、声にならず、涙がこみ上げてしまいました。

リスナーの皆様、お母さんを大切にしてください。いつか声を聞きたくても聞けなくなる時が必ず来ます。その時にどんなに悔やんでみてもどうにもなりません。どうにでもなる今、しっかり声をかけて、謝ることがあったら謝っておいてください。

 

20241115日 医学博士・歯科医師  林 春二