祐介先生、牟田さんこんばんは。
今年の正月に今年こそはと思ったことがたくさんあったと思いますが・・・・。今年はそれどころではなかったですね。能登半島地震が元旦の16時10分に発生してしまいました。お正月で自宅にいた人も多かったしょう。びっくりしたと思います。テレビの画面には津波の避難放送や次々に被災現場の状況が映し出され、輪島の朝市が火災に見舞われているところが伝えられていました。
こんな状況の中で今年の目標は、なんて考えられた人などいるわけはないと思います。そんな状況も1日、また1日と過ぎるうちにどんなにみんなでやりくりしてもどうにかなるような状況ではなくなっていました。しかし岸田首相は、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、共産党の党主を集めて「現地は非常に混乱して交通網も全く役に立たないので現地に入るのは見合わせる」と言う会議を開きました。現地に入れないほど大変な状況なのですから、大至急補正予算を組んで現地の被災者が困らないように経済的なバックアップをするべきだったのではないでしょうか。しかしこの時の党首が決めたのは現地入りをしないと言うだけのものでした。ところがれいわ新撰組の山本太郎さんはこの会議を開いているときにはすでに現地入りして現地のボランティアの人達と復旧の手伝いをしていたのです。私がここで言いたいのは、日本には「危機管理に対する考えも実行力も全くない」と言うことです。これまでにも熊本地震が2016年(平成28年)4月14日21時26分に発生、東日本大震災が2011年3月11日14時46分に発生して甚大な被害を受けています。東日本大震災の直後にはあまりにも大きな被害が出たために国民がこぞって支援できるように復興税を決めたほどです。熊本地震、東日本大震災の直後に政府は補正予算を組んで対応しました。テレビや新聞のニュースで知る限り能登地震もこれらの地震災害と遜色ない大きなものでした。しかし岸田首相はコロナ禍の対応で残った予備費を流用しただけです。
そもそもこの予備費も国会では予備費というには額が大きすぎるし、何に使うかわからないものをあまりにも多額の予備費を政府に任せるのはおかしいという野党の意見を聞かないで数の力で押し切ってしまいました。これらの一連のものも全て「危機管理」という面から考えると全くできていないと言わざるを得ません。
そもそも予備費というものは一時的にはすぐ使えますからその一部を使って直ちに補正予算を組んでしっかり対応すべきなのです。ましてや間近で熊本地震や東日本大震災が起こっているのですから、およそその試算はできたはずです。予算委員会を直ちに開かなかったということ自体が国の危機管理能力がないと言わざるを得ません。
今まさに政権選択の衆議院議員選が行われています。この選挙が行われる原因は自民党の裏金問題です。その対応や責任の取らせ方に大きな疑問があるからこそ、岸田首相が自民党総裁の続投が出来ないために新総裁を選ばなければならなかったわけで、これも「危機管理能力」の欠如の結果としか言いようがありません。
2024年10月25日 医学博士・歯科医師 林 春二