2024.09.20 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

痛ましい事件が起きました。

中国深圳市(しんせん)で日本人学校に通う小学生の日本人男子児童が18日に中国人男性に刺され、翌日19日に亡くなりました。わずか10歳の男の子です。どのような経緯でこの子が中国で暮らしていたかはわかりませんが、恐らくご両親のお仕事の関係でしょうか。10歳と言えば自分の置かれている現状と与えられた環境下を少しずつ理解し、その中で将来に対し多くの夢を膨らませ始める年齢です。断じて許されないこのような事件を私たちは単なる殺傷事件と捉えるのではなく、中国という国に対し根本的な考え方を見直すべき時に来ていると感じます。

今年6月には江蘇市でスクールバスを待っていた日本人の母子が刃物で切り付けられ負傷する事件も起きました。中国外務省は会見で「不幸な事件」としましたが、「同種の事件はどの国にも起こり得る」としました。果たしてそうでしょうか。

何の罪もない日本人の子供達が相次いで襲われる国は世界中どこを探しても中国しかありません。

日本政府は毅然とした態度で中国側に犯行の動機を明らかにさせなければ、万が一、容疑者が日本人を意図的に標的にしたのであれば、在留する日本人の警備強化だけでは解決には繋がりません。そして根本的な考え方の見直しとは、靖国神社での相次ぐ中国人の落書きにしかり、「抗日」教育から生まれる反日感情とそれを政治的思想下であおる中国政府の姿勢をもっと政府も報道機関も私たち日本国民に正しく伝えなければ、必ず次の事件が発生する可能性が極めて高くなるのではないでしょうか。

確かに日本企業にとって中国は生命線です。しかし、まずそこに携わる人たちの安全が保障されなければ経済を人質にとらわれているのも同じです。

ただ、一つの救いは全ての中国人が日本人を敵視し、反日化しているのではありません。亡くなった児童へ献花に訪れる人や、中国国内のSNSでもこの悲惨な事件に多くの方が哀悼の意と非難を寄せています。

今、日本にもの多くの中国人が生活をしています。政治的問題や宗教的価値観、歴史問題や文化の違いなど多くの違いをお互いが持ち合わせています。

私たちハロアルも長年共に活動する現地チームのメンバーの多くは華僑の方々です。

しかし互いを認め合い助け合い続けることで揺るぐことのない友情が芽生えました。

国と国の大きな溝はあります。しかしその溝を埋めるのも、深く掘り下げてしまうのも最後は人と人、お互いを認め合う心です。今回の痛ましい事件で亡くなった児童、ご家族に心からのお悔やみを申し上げます。そしてもう二度とこのような悲しい事件が起こらないためにも冷静かつ毅然とした対応を政治に求めなければなりません。

 

2024920日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人