2024.08.30 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

祐介先生、先週末はお疲れさまでした。そして牟田さん、一人ハロアルご苦労様でした。

私と祐介先生は先週金曜日からの二日間、私たちの母校でもある長野県松本歯科大学で臨床研修指導歯科医の資格を取るために講習会に参加をしていました。

簡単に言えば、卒業して歯科医師となった先生が卒後研修を受けるにあたり、国が定めた然る(しかる)べき機関、そしてその指導医になるための資格ということになります。

祐介先生と改めて二人で大学を訪れたのは卒業以来ですね。26年ぶりに訪れた町は

全くの別物になっており、時折見える昔の面影に、あの頃の記憶を思い出しながら楽しい二日間を過ごしました。

講習会は朝9時から夜9時までとそれはそれは大変な講習会でしたが、色々な先生たちとの討論はとても新鮮に感じ大変勉強になりました。

現在10万人を超える歯科医師がいます。そして67,000以上の歯科診療所があります。

その全ての歯科医に共通するのは誰もがはじめは技術も知識も未熟であり、誰かの下で指導を受け現在に至っているということです。そして特に研修医時代に重要なのはその時出会った先生、その時教わった内容、その時務めた医院など、確固たる自信や価値観を確立していない若い時の一年、一年が後の自分の歯科医師としての生き方に大きく影響します。今回24人の先生が受講されましたが、講習後一人、一人感想を述べる時間がありました。

私はこの二日間、今後指導医として若い先生を育てるという立場になるにあたり、

果たして自分がそれに見合った人物になっているだろうか。技術や知識はもとより

一人の人間としてそれに値するかを改めて考えることができた二日間でした、と述べました。私も経験がありますが、教わる方も、教える方もまずは技術や知識の習得に目が行きがちです。しかし、私は20年前にハロアル会長でもあり、師でもある林先生から投げかけられた言葉を思い出していました。「一、歯科医師の前に一人の人間であれ」どれだけ時代が進もうとも最後は「人の心」だということです。しかし「心」は容易に教えられるものではありませんね。ですから、私にとってハロアルボランティアとの出会いは大きな人生の分岐点だったといえます。

講習会を終え、息子に会いました。翌日から始まるテストに向け、珍しく神妙な顔つきで友達と勉強をしていました。頑張れよと別れを告げながら大学を後にする道中、私も息子と同じようにこの場所で仲間たちと切磋琢磨した日々を思い出しながらふと、

隣を見ると、グーグー熟睡している祐介先生がいます。ノスタルジックのノの字もない友人を乗せ、帰宅(きたく)()に就きました・・・。

 

2024830日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人