祐介先生、牟田さんこんばんは
フランス・パリで行われているオリンピックももう終盤ですね。日本選手の活躍に歓喜しながら毎日寝不足の日が続いているのではないでしょうか。
しかし、昨日、九州、宮崎県、鹿児島県付近で最大震度6弱の大きな地震があり、
気象庁は初めて南海トラフ地震との関連を示唆し、巨大地震注意を発表しました。
日本中がオリンピックに沸く中、一気に緊張が走ります。
いつ来てもおかしくはないと言われている巨大地震。勿論今回がその全ての予兆ではないにせよ、行政や市町村単位だけではなく、まずは身の安全、命を守るために一人一人が備えに徹しなければなりません。特に海沿い、沿岸地域の方は津波の恐れもあります。どうぞ十分にお気をつけください。南海トラフ地震は主に太平洋側沿岸、特に東海地方が大きな被害が出ると予想されていますが、いつ、どんな事態が起こるかわかりません。対岸の火事ではなくみんなで日々の防災への意識を高め、万が一の時は日本中で支える準備をしなくてはなりませんね。
さて、今日8月9日は長崎に原子爆弾が投下された日です。
戦後79年が経ちました。当時の状況を知る戦争経験者は皆ご高齢となり、戦争がもたらす悲惨さ、残虐さ、そして愚かさを実体験として後世に伝えることが年々困難になるなか、被爆地広島、長崎では原爆投下の時刻に合わせ平和を祈る式典が開かれています。原爆による最後の被爆地長崎には平和記念像があります。あの像には実はモデルとなった方がいました。元陸軍軍人の吉田廣一(ひろいち)氏です。そしてあの独特の様相には意味があります。高々と上空を指した右手は原爆の脅威、水平に伸ばした左手は平和、軽く閉ざした目は戦争犠牲者の冥福を祈っています。
私は人類史上最大のテロと呼んでいますが、無差別に、しかもその影響は79年たった今でも人体に被害を及ぼす原爆の恐怖から私たちはいったい何を学んできたのでしょうか。今、オリンピックという平和の祭典といわれる部隊では沢山の選手達が戦っています。そこにはメダルの優劣だけではなく国境を越え、人種を超え、お互いの健闘を称えあう選手達の姿があります。彼らが私たちに教えるもの。スポーツが私たちに訴えるものはいったいなんでしょうか。私たち人間は本当は一つになれるはずです。しかし未だ続く戦争、紛争によって多くの人達が今日生きることに不安を抱え暮らしています。長崎の平和記念像のモデル吉田廣一氏は実はレスリングや重量挙げの選手でした。今回もレスリングでは多くの日本人選手がメダルをとりました。彼らが戦いを終え、お互いを称え合い抱き合う姿こそが私たち人間の本来あるべき存在意義だと感じます。平和は人類の最も尊い権利です。戦争により犠牲になられた世界中の悲しみに心から哀悼を捧げたいと思います。
2024年8月9日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人