2024.07.05 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

祐介先生、今日はとても嬉しいことがありました。

私の医院は現在ハロアルの現地活動参加の窓口として毎日たくさんの方から問い合わせをいただいています。

そんな中、2014年に高校生として群馬県新島学園高校から参加をした小山晃君から連絡がありました。事前に祐介先生からもお話しをうかがっていましたが、彼は幼い頃からの夢であった歯科医師になり、今度は歯科医師として来年の現地活動に参加をしたいと電話をくれたのです。私は久しぶりの彼の声と共に、ハロアルに参加をし、夢を実現し今度は同じ世界で再び仲間になれることを喜びました。

祐介先生、どうでしょう?恐らく過去18年間で500人以上の高校生が現地活動に参加をしてくれましたが、歯科医師になって再び参加をしてくれるのは彼が初めてでしょうね。このハロアルに参加をしてくれた高校生たちは毎年現地で「高校生・マニラミーティング」という時間を設けます。議題は様々ですが、その中で必ず彼らが今自分の未来に何を思っているか。「夢」についてそれぞれ語ってもらいます。

有り余る社会で育ち、何不自由ない生活を送る現代の若者がいったいどんな夢を抱いているか。そしてたった飛行機で4時間の場所にゴミの山で暮らし、一晩中物乞いをする貧困の現実の中、「生きることが夢」と語る子供たちに出会った若者たちが、どんな将来を描くのか。純粋で時に不器用な10代の高校生たちが発する一言、一言は、

歪んだ豊かさに毒された私たち大人の心を浄化するように素晴らしい感動を与えてくれます。しかし、全ての高校生たちが明確な夢を持っているわけではありません。また、ハロアルは歯科医療を主としていますので医療系に進みたいと願う子も多いのは事実です。将来に不安を抱く子や何がしたいのか、どんな道に進みたいのかわからない子、また、学校でいじめや登校拒否などで心を痛めている子、周りの同級生たちが夢へと向かう中、「夢を見ること自体」に悩みを抱えてしまう子もいます。

しかし、4日間多くの仲間と過ごし、ボランティアという人間本来が持つ「共に助け合う」という精神を学ぶことで、彼らの中に新しい「何か」が芽生え始めるのです。

そしてそんな彼らとの素晴らしい出会いに私は最後必ず投げかける言葉があります。

「ハロアルに集ってくれた高校生たちは私の夢です。」

祐介先生、私たちの夢の種がまた一つ芽を出し、成長し、来年参加をしてくれますね。

あなたが20年前にであった10歳の男の子アルソン君。彼は幼くして前歯4本を抜歯せざるを得ない重度な虫歯になっていました。あなたが心を鬼にして抜歯をした痛みをどんな思いで彼は感じてくれるでしょうか。

私も新たな仲間への喜びと更なる情熱を持ってしっかり準備していきたいと思います。

202475日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人