2024.06.07 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さん、そして林先生こんばんは

 

今日は67日、明日の68日虫歯の日ということで今夜のゲストはハロアル会長、そして私や祐介先生の師匠、林先生ですね。

私も今日はそちらにお邪魔させて頂くはずでしたが、足の骨を折ってしまい止む無く今回はお手紙でご容赦ください。

さて祐介先生、今日は林先生がゲストですからお互いピリッとした雰囲気になりますが、私が初めて先生にお会いしたのが2003年、21年前です。正確には学生時代、林先生が学生の為に大学に講義をされに来た時、同じエレベーター内でアイスを食べていた私に烈火のごとく怒られたのが初見となりますが、それはもう過去の思い出とします。21年前、あなたに現在のハロアル・フィリピン医療ボランティアの前身の活動の報告会に誘われ、先生に引き合わせてくれた時から、私の歯科医師としての全てが変わりました。そして「関口先生、一人の人間としての心を学ぶために私と一緒にフィリピンのスラムでボランティアをしよう。」とお誘いを受け、私は「一、歯科医師である前に一人の人間であれ」ということを学びました。

また「世界中どこに行っても、時代がどんなに進もうとも、患者さんが最も望まない治療は歯を抜くことだよ」と教えられた時には単純であり、歯医者なら誰もが当然と思うことを真剣な眼差しで投げかけられた時、私を含め、いかに世の中の歯医者がこの言葉の意味を忘れているかを知りました。先生が脳幹内出血で倒れられた時、先生は死の淵をさまよいながらビデオレターで私や祐介に「ハロアルを託す」「関口先生、日本中に響き渡る音叉になりなさい」と呂律の回らぬ病状にも関わらず、私だけでなく、木本、加藤たちにもボランティアを継続する大切さを語ってくれました。

そしてハロアルの活動が年々大きくなるなかで会自体がまだまだ成熟せず、高校生たちの受け入れや現地活動の内容に私が不安になっていると、先生は「大丈夫、いざとなったら私が命を懸けて全ての責任を取るから」と私の背中を支えてくださいました。デンマークでは世界最高峰の福祉国家の在り方を学び、東日本大震災では被災地での治療ボランティアでは盲目のおばあさんが先生の作った総入れ歯に涙を流しながら喜ぶ姿は一生私の目に焼き付いています。

今日は久しぶりに先生にお会いできるのを楽しみにしていただけに、本当に残念です。しかし、来年度の現地活動参加の募集も始まり、今年もハロアルメンバー一丸となって頑張って行こうと思います。

先生、どうぞお体には十分ご留意してください。そして、まだまだ未熟な私たちに

ご指導ください。今日は個人的なお便りとなってしまいましたが、祐介先生、これからも二人で頑張って林イズムをしっかりと受け継いでいきましょう。

202467日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人