祐介先生、牟田さんこんばんは。
早いものですね。今年の番組も4月の最終になりました。今日で令和6年の3分の1が終ってしまうわけです。と、同時に明日からゴールデンウィークということで長い人は10連休だそうです。
今年はコロナでしばらくの間出来なかったハローアルソン・フィリピン医療ボランティアをコロナ禍前の状態でボランティア活動、そして3月23日には報告会を258名の入場者を迎えて行なうことができました。これで2024年の活動を全て終了しました。同時に2025年の活動は2月7日から10日までと決めました。
私はこの活動にいくつかのことを期待しています。この活動に協力することによって皆様が多忙な日常の中でつい忘れてしまっている「節約」という言葉を思い起こしてもらいたいということです。つい先頃までの大量生活、大量消費ということで悪くなったら新品にという使い捨てが当たり前のような生活を見返って、捨てる前にもう少し使えないか考えてもらいたいということです。自分が使えなくても使える人に使ってもらおうという考えです。このことは最近ではSDGSという考えになり持続可能な社会を作ることにつながっています。現在の温暖化の原因の一つが使い捨て社会の産物でもあると思います。使い捨てが当り前の歯ブラシ一本が命を救う活動につながることを、歯医者の私が患者さんに訴えることで、沢山の協力が得られています。同時に患者さんは治療してもらいたくて診療所に来るのですが、一本の歯ブラシを持って来てボランティアにも協力してくれると、スタッフから有り難うございますと大きな声がかかります。ですから新しく来院した患者さん達は一様にこの診療所は病院じゃないみたい。明るくて大きな声で、まるでスポーツクラブにでも行っているみたいだと。この方が医療効果も高くなります。自らの免疫力が高まるからです。これも私の狙いの一つです。でも本当は歯医者の皆さんにもっともっと謙虚になって欲しいということです。患者さんは痛いところや不都合があるから来院するのです。つまり自分が困っているから助けて欲しいと頭を下げてくるのです。例え校長先生であっても国会議員さんであってもです。そんな時上から目線でなく謙虚にやさしく丁寧に治療してやれる先生であって欲しいのです。偉そうにしないで下さい。でも先生のところに来る人は、困っていなければ来ませんから、いつの間にか自分が偉くなったようになってしまいます。でもこの活動で触れ合ったスラムの人達は歯ブラシ一本で失われる命を助けられることを説明して協力してもらいたいのです。そのためには患者さんにお願いしなければなりません。普通なら先生お願いしますという立場から、すみませんハブラシ、タオル、石鹸協力してもらえますかという立場に逆転するのです。これを毎日繰り返すのですから偉そうにしている人から、いつも私達にお願いしますと言う腰の低い良い先生ですよということに変わってしまうのです。こういう活動をしているといつの間にか社会の中でなくてはならない人になってしまうのです。これが一番大きな目的です。
2024年4月26日
医学博士・歯科医師 林 春二