2024.03.15 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 

 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2024の報告会がある323日まであと1週間に迫りました。診療室の中では患者さんごとに報告会のお知らせをしてチケットを買ってもらっています。診療室に来ている患者さんですからある程度の信頼関係は出来ているので恥ずかしいことはないはずですが声は小さくなりがちです。見ていると78人に声をかけて1人が協力してくれる程度です。これは協力してくれない人に問題があるのではなく、むしろお願いしている人に問題があるように思えます。

以前にもこの話をしたことがあるかと思いますが、「声をかけた時、いつ声をかけられるか待っていました」と言われるような人なのかということだと思うのです。本当にそういう人だったら78人に声をかけて協力者は1人ということはありません。この活動はボランティアですから人の喜んでくれることを誠心誠意やれば済みます。ボランティアだからといっていいかげんにやればいいということではありません。しっかりやりましょう。それよりももっと大切なのは沢山声をかけても反応してくれる人がどれ位いるかということだと思います。もしもたった1人だったら今の自分にはたった1人しか協力してくれる人がいないという現実なのです。それが1人増え、2人増え、やがて沢山の人に協力してもらえるようになったら、その人はどこ行っても誰と話し合っても半分以上の人に信頼される人に成長しているということになります。成人に達した人達はめったに試験を受けることがありません。このボランティアでチケットの販売を皆さんにお願いしているのは皆さんが患者さんや周りの人にどのように思われている人なのかという試験なのです。チケットの協力者が多いということはそれだけ理解者が多いという証です。言い換えるとその人の生き方が周りの人にとって好ましい生き方をしているということになります。これからも今まで以上にしっかり生きて欲しいです。

あまり協力者を得られなかったからといって悲しむことはありません。その人の生き方に問題があると思った方がいいです。そしてチケットを売って欲しいと言われた時いやな思いをした人もいるかと思いますが、その人の心根(こころね)の中には〝素直になって〝素直に聞いて〝素直に実行するという社会人として大切な事が判っていないということだと思います。

人間が成長するには「(しん)(ぎょう)()」という段階があります。先ず人の言うことを信じて、やってみると解かるということです。何もしなければ理解も出来ないし成長することも出来ません。自分はどんなにつまらないと思っていることでも人に頼まれたら素直になって、素直に聞いて、素直に実行してみて下さい。難行(なんぎょう)苦行(くぎょう)をしなければ悟りが開けないという「(しん)(ぎょう)()」のことわりが判るはずです。そうすると取りも直さず、なくてはならない人になって人格者になるということです。

それでは323日(土曜日)雄大な浅間山の麓の御代田町エコールみよたでお会いしましょう。                        2024315

医学博士・歯科医師  林 春二