祐介先生、牟田さんこんばんは。
ハローアルソンフィリピン医療ボランティア2024に御協力下さいました全国の皆様、本当に有り難うございました。お陰様で今回もとても感動的な活動が出来ました。心から感謝申し上げます。
私がこのボランティアに祐介先生を誘ったのは今から24年前の2000年でした。私が50才になった時で、世界では高齢者の介護の問題が大きく取り上げられている頃でした。地球温暖化などが問題になりはじめた頃でもあります。
私は2才の時父に病死され、二人の姉と弟一人の5人家族でしたから、父に関係の深かった人達の親切や思いやりを受けて生活していました。だから今大きな曲り角に差しかかっている「福祉」の問題は私の家庭そのものでした。
ある人は取れたてのトマトやナス、キューリなどの野菜でした。お盆の頃には梨やモモ、トウモロコシを持って来てくれ、食べ切れないほどもらうこともありました。だから父親はいなくても何一つ困ることは有りませんでした。
それでもわざわざお金を出して買って来てくれるようなことはありませんでしたが、年中もらい物や親切な思いやりでいっぱいだったことを思い出します。
幼少の頃から、親切な人や、思いやりの中で育ったものですから「いつかは自分だって・・・」という思いはずっとありました。結婚相手に今の飼い主さんのように「やさしい人」にめぐり会えたのは偶然ではなかった様に思います。素晴らしい人にめぐり会えました。
ライオンズクラブのメンバーとフィリピンの恵まれない人達へのボランティア活動をした時は「これだ!」と幼い頃から持ち続けていた私なりの「思いやりや感謝」に出会ったような喜びを感じました。汗を流し、一生懸命働らく姿はこれこそ高校生に伝えなければと思いました。
すぐに祐介先生にそのことを話しました。その時は私自身がボランティアについてはっきりと確立した気持ちなどあるはずもなく、こんなに喜んでもらえる活動を周りの人と共有したいというだけでした。その中で、4つの柱を立ててボランティアを続けようという意識が強くなりました。
1.スラムの人達の無料の歯科治療。2.そこで配るハブラシ、タオル、石鹸を集める。3.この活動を通して自分の生活を見直してもらう。4.高校生にも参加してもらって国際的に通用するやさしい国際人になってもらうことです。
私は診療所でスタッフにお願いしているのは患者さんにこの活動を説明してもらう
ことです。患者さんは痛くて、噛めなくて困って通院している人ばかりです。常にお願いする立場ですが、その皆様に腰を下げてハブラシ、タオル、石鹸やカンパをお願いすることによって対等もしくは私達の方が下になれます。この謙虚さややさしさを磨いてもらうことが私のねらいです。現在どこまで浸透しているかわかりませんがこのボランティアは思いやりのある、やさしい人になって患者さんによろこんでもらえる心のトレーニングなのです。
2024年2月23日 医学博士・歯科医師 林 春二