祐介先生、牟田さんこんばんは。
「寒」もいよいよ本番で、1月20日からは「大寒」です。一年で最も寒い時季になります。といっても能登地震で被災された皆様にとってこれ以上の対策はとりようがありません。対処療法で、壊れた物を片付けたり、散らかった物を捨てたりするぐらいのことは民間やボランティアでも出来ますが、限界があります。これから先、道路を整備したり、崖崩れを直したりするようなことは国がしっかり復興対策をしてくれるしかないのです。
2011年3月11日に起こった東日本大震災の時にも書きましたが、被災された人に責任はありません。自分の家を持っていようといなかろうと一人300万円位は必要だと思います。生活再建のためにはどんなに節約してもお金は必要です。一度に支払わなくても数年に分割してもいいと思います。こういう安定的な収入があれば安心して新しい職も見つけられます。こういう保障こそが国民にとって大切なのだと思います。
東日本大震災の時も3月でしたから、避難所に避難しても寒さと硬い床の上に直に寝るような状況でした。あれから10年以上も経っているのに、全く同じです。しかも今回は1月の寒の最中で、雪の多い地方の地震災害ですから、経験したことのないような寒さだと思います。ダンボールベッドにしてもプライバシーを守るテントにしても現地に届けられるのが遅すぎます。もっと何とかすぐに役立つ災害グッズを備えるべきです。他の国に対してはパッパッと支援金を出せるのですから、自国の、しかも被災された人達に出せない訳はありません。
ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに毎回参加してくれる人たちは200名足らずです。しかし、年ごとにやれることも多くなってスラムの人達に感謝されています。最初は痛ければ抜くだけでしたが、保存できる歯は保存治療をし、可能な限り、入れ歯を作って咬合の回復を計っています。悪くなってしまったものは元に戻せませんが、悪くしないように「予防」をしっかり伝えてきました。そして内容が充実するに連れ、物資や器械も必要になりますから、それらも整備され、日本と全く変わらない治療が出来るようになってきました。つまり、やる気があれば「夢」だったものが次第に「現実のものとなり」更にその先へと進むことができます。日本の災害対策ももっとしっかり進めて欲しいと思います。今後想定されている南海トラフ地震や都市直下型地震に対して何がどれ位できているのか、いないのか、もっとはっきり国民に明示すべきです。国が出来ること、民間が出来ることを伝えてもらって一人一人が責任を持って対応していきましょう。ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2024はもうすぐそこです。私は近くの人達に現在使用しているか、処分しようと思っているバスタオルを提供するように呼びかけています。有り難いことに多くの皆様が協力してくれて、私達家族だけではとても持ち切れないような量のバスタオルが集まっています。
皆様も周囲の方々に呼びかけ、一人でも多くの方々に協力してもらって下さい。
2024年1月19日 医学博士・歯科医師 林 春二