祐介先生、牟田さん、こんばんは
元日に起きた能登半島を中心とした大地震は大変な被害です。
日が進むにつれ、その全貌が少しずつ明らかになってくるなかで未だ行方不明になっている方々の安否が本当に心配です。希望を捨てず一刻も早く救助されることを心からお祈り申し上げます。そして連日、雪や大雨などで過酷な避難生活をされている方々の健康、そして心のケアも大変心配です。インフラが完全に遮断されている今、自衛隊を中心に各分野の方々の懸命の支援が始まる中で、私たちもこれから長期にわたる復興支援にみんなで協力しなければなりませんね。
さて、祐介先生、私たちハローアルソン・フィリピン医療ボランティア現地活動もいよいよ2月の出発まで1か月となりました。
昨日、宮城県仙台市の歯科医師三浦先生から私の医院に段ボール8箱分の歯ブラシやタオルなどの物資が送られてきました。彼は東日本大震災の時、他県で働いていましたが地元仙台市が大変な被害を受けたことを知り、急遽帰省しました。そして災害復興の拠点となる南三陸町防災センターに行き、大きな体育館に全国から運ばれた物資のなかに、虹を背に、歯ブラシを手にしているハロアルのステッカーを見つけました。そして自分の街の復興にいち早く手を差し伸べてくれたハロアルに興味を持ち、今度は歯科医師として自分がフィリピンの子供たちに活動することが、この恩を返すことになると思い、参加を決意してくれたそうです。それ以来、彼は会の副団長として、また、地域でも様々な所でハロアルの活動を広めてくれています。今回は自分が開業し、間もないことから現地活動には参加ができませんでしたが、その彼から沢山の物資が届いたのです。私は以前から彼に何度か手紙を書き、彼のハロアルへの活動に対し感謝を伝えながら開業時、私が20年前に会長林先生から頂いた言葉を伝えました。
「一人の歯科医師の前に、一人の人間であれ」
ハロアルの活動は確かに歯科治療を中心とした医療活動です。治療では当然、歯科医師の先生が中心となり、患者さんからも感謝をされるでしょう。しかし、ハロアルの素晴らしい所は、その先生方が日本では全く違う環境下で実は日々私たちが治療させてもらえるのは沢山の人達の支えのお陰であることを気づかされる所です。私は初めてこの活動に参加をした時、会長は林先生からこう言われました。「関口先生、どんな時も謙虚になりなさい。そして誰よりも感謝の心を忘れず頭を下げることができる先生になりなさい。」ボランティアはすると「ありがとう」と言ってもらえます。しかし同時に、自分自身も多くの人達に「ありがたい」と感じさせてもらえます。
仙台からの物資を見た嬉しさと共に心から感謝をしました。残り1か月、私も一人の人間として誰よりも謙虚にみなさんの思いを胸に準備をしていきたいと思います。
2024年1月12日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人