2023.10.20 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 夏は猛暑で大変な思いをさせられましたが、秋に入ると熊の出没でまた大変なことになってしまいました。今朝のテレビでは秋田県なのか全国的になのかはっきりしませんでしたが、昨年の8倍の被害が出ているようで心配です。

 以前は山にきのこ狩りに行って熊に襲われたというようなケースが多かったように思いますが、今までの熊は山と民家のある里山に出ていましたが、今年は町中(まちなか)に出て、しかも人を襲っているとのことです。夏の激暑も異常でしたが、それに伴って水害を引き起こすような大雨が降り、花の咲く時季も大部狂ってしまいました。私の家の庭にある北海道から持ち帰って植えた蝦夷(エゾ)彼岸(ヒガン)(ザクラ)紫陽花(あじさい)が咲き始めたと思ったら、今度はツツジが咲き始めました。秋の軽井沢でも全くおかしなことが起こっています。

 先週このハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに高校生が参加してもらうようになってから、紆余曲折があったことを書きました。今回はその続きを書いていこうと思います。

ボランティアですから上手いも下手もありません。望まれることを精一杯したらそれで十分だと思います。専門家でなければダメだという事になると大きな輪にはなれません。つまり、誰か一人欠けたらやれる事はどんどん少なくなってしまうのです。

求める人が多ければ多いほど沢山の協力者が必要です。ですからまとめ役の人は敵を作っては駄目なのです。祐介先生や関口先生のためなら何をおいても協力すると言われる人でいて欲しいという事です。二人がそういった人で本当に良かったと思います。

 次にこの二人が元気なうちはいいですが、やがて今と同じように元気に活躍できなくなった時どうするのかという事です。バトンを引き継いでくれる次の世代の人と言うと高校生になります。ですからこのハローアルソン・フィリピン医療ボランティアには高校生に一緒にボランティアに行ってもらうという大きな役割があるのです。高校生は医療どころかボランティアの経験も少ないのは分かっています。その高校生にフィリピンのスラムで協力してもらうのはものすごく負担になります。やらなくても良い事前研修や生活指導もやらなくてはいけません。医療ボランティアだけでも大変なのに高校生の面倒まで見るのですから疲れは一気に増します。

はじめのうちはこれが一番大変でしたが、回を重ねるうちに汗を流しながら医療に奉仕する大人たちの姿に触れ、そしてそれが高校生の共感を呼び、「かっこいい大人」などという評価が高校生の口から出るようになりました。こうなってくるとハローアルソン・フィリピン医療ボランティアにとって高校生はなくてはならない存在になり、関口先生の口から「私達の夢は高校生です」と語られるようになりました。そして振り返ってみると参加してくれた高校生は600人を超えるまでになっていました。

 これから更に高校生は当然として、この活動に参加してくれるみんなが楽しくボランティアに邁進(まいしん)出来ように頑張っていきたいと思います。

20231020日 医学博士・歯科医師 林 春二