祐介先生、牟田さんこんばんは。
「暑さ寒さも彼岸まで」といいますが全くです。秋の彼岸までは避暑地の信州、とりわけ軽井沢でも猛暑でしたが、彼岸を過ぎると朝夕はいつもの年のように頬をなでる風が涼しさを感じるようになり、つい最近は朝夕、長袖のシャツを着たくなるほどでした。軽井沢から来院している患者さんの中にはストーブに火を入れたという人も何人もいました。もともと温かい地方ではまだ真夏日が続くようですが、軽井沢はこれから秋に向かって直滑降です。
私は何事も「手作り」が大切だと考えています。品質のいいもの、外観のいいものは悪くありませんが、最近は私の考えているようなことが様々なところに現れています。生活に密接している食品でも大きすぎたり、形が悪かったりというものがわけありということで割安で提供される、肉や果物もわけあり商品、お菓子なども割れてしまったわけありで単に廃棄するのではなく値段を安く提供して無駄をなくしています。
これらのものを買う、それだけでも生産者の協力になりますが、野菜を実際自分で作ったらどれくらい大変なことなのかわかるはずです。形は悪くなったとしても栄養価が変わる訳ではありません。またどんな野菜や果物でも種を出したり、皮をむいて調理したりしますから、原形でそのままということは少ないはずです。ですから半額以下というより2~3割安くするだけでいいのではと思います。これは台風で落下した果実の場合もそうです。農家の苦労を考えたら出来る限りの協力を皆さんでしてみてはいかがでしょうか。
こういう考え方に私がなったのは自宅の庭の草取り、畑の草取り、訪問診療で行なっている家の草取りなどを実際やってみると、たかが草取りでも大変なことがわかります。ですからそれ以上に手間暇をかけて作った生産物をちょっとした傷や見てくれだけで値引きしたのでは気の毒すぎると思うようになりました。
リスナーの皆様もたまには遠出をした旅先、近所の人やボランティアでもいいですから、草取りや生産物の採り入れなどを協力してみたら旅の楽しみがまた違ってくるのではないかと思います。
ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは、支援物資や運営費の一部のカンパにしても皆で努力をして継続してきました。こういう自分自身が汗水流す努力が他のボランティアと違って参加者が一様に大きな感動を受けるのではないかと思います。手作りのものにはこうした利点があるのではないでしょうか。 来週はいよいよこの番組の1000回記念になります。スタジオにお邪魔できることを楽しみにしています。
2023年9月29日
医学博士・歯科医師 林 春二