祐介先生、牟田さんこんばんは。
先週はハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2023の団長関口先生と番組に参加させてもらい有り難うございました。こうして時々番組に出させてもらいますと竹の節のように区切りがついて、またやるぞという気持ちになります。
私は今回の活動中にも参加してくれた歯科の先生方に私の遺言だと思って聞いて欲しいとお願いしたことがあります。
昨年2022年6月11日に軽井沢プリンスホテルで私の喜寿のお祝いをしてもらった時に参加してくれた先生方ばかりだったと思いますが、この時私は最初に出席してくれた皆様に発した言葉は「ありがとう」という言葉でした。私が77歳になるまで生きて来られたこと、そしてこれまで沢山の皆様のお力添えがあったことに対しての感謝です。そのあとで「生命」、「夢」、私の母に言われた「春二入れ歯の痛さは虫歯や歯槽膿漏より痛いぞ」という言葉、「笑朗苗志(笑顔でほがらかな心を持った仲間を沢山作ろう)」という言葉、続けて北海道大学の歯周病科教授石川純先生との触れ合いの中から感じ取った今私達がやっている一本でも歯を多く守ろうということは歯科界の先駆者になるということだということから「魁」という言葉を私の歩みの中の様々な体験から話しました。そして世界で初めて、一卵性双生児二人そろって100歳になった「きんさん・ぎんさん」について一卵性双生児なのに歯が一本もなかったきんさんは常に軟かいものしか食べられなかったのに胃腸薬が常備薬だったこと、5本前歯があったぎんさんは何でもよく食べられ常備薬は何もなかったということ、そして何より歯のあったぎんさんの方が頭の回転が速く何でも理性的に対応出来るのに、歯のなかったきんさんはアハハ…と笑うだけで理性的に対応できなかったことを通して歯があるかないかで一卵性双生児であってもこんなに大きな違いになることを教えてもらった話をしました。私達が患者さんやハロアルで伝えている「歯は命の源」だということを教えてくれた神様のような存在でした。先生方にくどいようですが歯を抜くようなことは絶対にしないでもらいたいということです。そして歯のない人の「笑顔」は「泣き顔」になってしまうことも話しました。今は世界中がいつでも一つになって交流出来る環境になっています。「笑顔は世界の共通語」なのに自分達だけ泣き顔になっていたのでは話になりません。そして参加者全員にこれらを実践してもらいたいという意味も含めて「ハイ」という気持ちのよい返事をしましょうと締めくくりました。「ハイ」という言葉は漢字で書くと「拝」となります。相手を尊敬して素直に心の底から「拝(はい)」ということが大切だということです。今回遺言のように伝えた私のことばが参加者に「ハイ」と受け入れられることを祈ってやみません。
2023年6月23日
医学博士・歯科医師 林 春二