祐介先生、牟田さんこんばんは。
いつもの年より桜の花が早く咲き、入学式に見られた桜が卒業式の風物詩になってしまいました。桜吹雪の中でのお別れもまた思い出深いものになります。
3月28日火曜日に関口敬人団長、渡辺愛人先生と3人で長野市内にある長野清泉女学院高校にハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2023に参加を希望している高校生のために学校長の許可をもらいに行って来ました。
私の住む御代田町は皆様もよく知っている軽井沢のすぐ隣ですから、長野県の中でも一番寒い地区になります。ですからまだ桜の花は堅い雷ですが長野市はこちらからすると標高が600mも低いので桜が五分咲きでした。善光寺を見下ろす高台の城山公園にある学校から見渡す光景は桃源郷のようでした。
約束の時間少し前に受付に入り応接室に通されました。三人で席はどちらがいいか話している内に本人、お母さんと教頭先生が来てくれました。挨拶のあと、関口団長がハローアルソンの話を熱く語ってくれました。とてもよいボランティアの紹介でした。普段なら身体をのり出して、それからどうなるのですかとかどうなりましたかと聞いてきても不思議ではないのにいやに冷静な対応でした。教頭先生の座っている右前にはノートパソコンが開いたままの状態になっていましたから、関口団長と私の話す内容の一部始終は録音されていたのだと思います。私達にとっては嘘や人をだましに行っている訳ではありません。気持ちはよくないですが、こういうやり方もあるのでしょう。
関口先生の講演はいろいろなところで聞いていますし、この番組での先生のエッセイも毎回聞かせてもらっているのでむしろ録音してもらってよかったです。
私は一応の話が終ったところでクラス内でも学年でも全校生徒の前ででもいいので今回の医療ボランティアに参加して何を感じたか発表の場を与えてやって欲しいとお願いしました。私達はいろいろな経験を沢山しますが、経験をしてもするだけで人に話す訳でもなく、記録する訳でもありませんからすぐに忘れてしまいます。ところがその経験を人前で話すとなるとストーリーを考え、どんなことを話したらいいのか、いろいろ考えをめぐらしますから、その経験は何回でも思い起こされて記憶に残ります。忘れないだけでなくて、しっかり身について、何かあればサッとその記憶がよみがえり、力になります。私は電車に乗った時でも隣の席にいる人に語りかけるのはそういう考えがあるからで話せば話すほど、そういう機会があればあるほど私自身が人さまから見た時に変な人に見られないようにいつも注意して、好感が持たれる人になる訓練をしているのと同じになっているのだと思います。リスナーの皆様も周りの人に呼びかけて誰からもすぐに喜んで協力してもらえる人になって欲しいと思います。
2023年3月31日
医学博士・歯科医師 林 春二