祐介先生、牟田さんこんばんは
2月6日、トルコ南部で発生したマグニチュード7.8の大地震は現在までに死者2万人を超える大災害となり、6,444棟の家屋が倒壊しました。
テレビに映る映像は本当に心が痛みます。建物が崩壊する瓦礫の中から幼い子供が救出される姿、極寒の中テントの下で毛布にくるまりながら寄り添う人達。
日本からは発生翌日に海上保安庁から選抜された18人が現地に向かい、その翌日には55名が加わり総勢73名のチームが現地で救助にあたります。どうぞ十分に気を付けて頂きご活躍を心から祈っています。
当院でも「トルコ・シリア大地震緊急支援募金」を開始しました。患者さんたちと共に少しでも彼らの支援のために行動をしたいと思います。
このような災害時にはそれぞれができる適正な支援が大切になりますね。食料や毛布を提供したい気持ちはわかりますが、現実には一人の民間人でできる支援ではありません。やはり、まずは義援金により今苦しんでいる人、そして未来の復興の為に協力することが何よりだと思います。
しかし、「お金」だけが全てではありません。12年前、東日本大震災後、翌年のハロアル現地活動の際、私たちはあるスラムの中心にある教会でボランティアをしました。
30度を超える暑さの中、沢山の人達が私たちの治療を朝から待っていました。そして治療が始まりしばらくすると、私のもとに一人の女性がやってきました。彼女は言いました。「先生、日本の皆さんの安全を私たちは毎日神様に祈っています。先生、ごめんなさい。私たちはとても貧しくお金を協力することができません。私たちにできることは祈ることだけです。」私はその言葉を聞き胸が熱くなりました。私たちの国で多くの人達が尊い命を無くし、沢山の人達が悲しみ、苦しむ中、この異国の地フィリピンで、しかも劣悪な環境で生きる最も貧しい人たちが、毎日私たちのことを祈ってくれていることを知り、必ずだれにでもできるボランティアがある。それは「誰かの為に心から祈る」ということを彼らから学びました。
トルコは日本にとって歴史的に見ても大変絆の深い国です。明治22年のエルトゥールル号の悲劇、そしてイラン・イラク戦争の時のトルコ共和国からの日本人救出、そして東日本大震災の時もいち早い支援を頂きました。詳細は是非皆さんお調べになって頂き、どれほど深い歴史があるか知って頂きたいと思いますが、トルコだけではなくシリアでも沢山の人達が苦しんでいます。皆さん、今日は東京でも大雪警報がでました。私の地元栃木県那須でもずっと雪が降り続いています。この寒い夜、私たちが暖かな部屋でこのラジオを聞いている今、世界の友人たちが極寒の空の下で苦しんでいます。皆さんまずは彼らの為に祈りましょう。そしてできる範囲でいいんです。彼らのために募金をしましょう。 2023年2月10日 ハロアル 団長 関口敬人