2023.02.03 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

祐介先生、先日はありがとうございました。

今週の水曜日、私はいよいよ6月に始まるハロアル現地活動に必要な書類を、東京、麹町にある公証人役場に提出し、これで私たちがフィリピンで医療行為をするための書類申請が全て整いました。そしてこの書類を今月末、祐介先生と一緒に行く現地視察の際、私が直接マニラにあるRPC(医師免許管轄機関)に行き、正式に認可を受けるための会議を行います。毎年この申請には一人で行っていましたが、今回は既に進学が決まり、学校が自由登校となった息子を帯同させました。

新幹線に乗り、小さい頃は野球観戦によく二人で東京に行くことはありましたが、今では18歳となり、こうやって私がハロアルの仕事をしながら東京に向かう日が来るとは夢にも思いませんでした。道中、色々な話をしました。息子はこれから私と同じ大学に進学するわけですが、私は彼と2つだけ約束をしました。「体に気を付けること」そして「良い仲間を作ること」です。今こうして私がハロアルに出会い、団長として活動に携われるのも、祐介先生が私を誘い、加藤、木本、井橋、親良などそれこそ18歳で出会い、30年以上付き合うことができる仲間の存在です。

申請が終わった後、祐介先生の病院がある経堂に行きました。息子は駅を降りると地元とはまるで違う風景、特に町中にある歯科医院の数に驚いていました。「お父さん、東京の人ってこんなに歯が悪いのかな?」私は苦笑いをしながら息子に言いました。

「どんな時代が来てもどんなに医療が進歩しても、一つだけ変わらないことがある。それは自分の歯より勝るものはない。そして患者さんが本当に望むのはたった1つだけ。それは誰よりも自分の歯を大切に思ってくれる先生なんだよ。」私はキョロキョロしながら町を歩く息子に、19年前私が初めてハロアル会長でもあり、私たちの師でもある林先生に言われた言葉を今、彼に伝えていました。そしてあなたの医院に行くと相変わらず大きなあなたの声が聞こえ、あなたは私を自分の患者さんいこう紹介してくれましたね。「○○さん。今日栃木から来た私と同じ志をもった先生ですから、ちょっとお口の中を診てもらいましょう。」とても難しい症例で絶対に他院では抜かれるような歯をあなたは一生懸命治療をしていました。私は息子に言いました。「お前もいつかお父さん達みたいに本当の同志と言える友達ができる。それにはまず自分がそれにふさわしい歯科医師にならないとな。」これから新たな道に行く息子に言葉だけではなく、背中で教えることができたことにとても感慨深く思いました。そしていつか彼が私たちのバトンを受け継ぎ、患者さんの為、ハロアルの為に頑張る日を夢見ました。

しかし、帰りの道中、あなたの車の中であなたが開口一番息子に言ったのは「いいか慶慈、大学行ったら女にだけは気を付けろよ!」「変なのに捕まったら人生終わるぞ!」息子は今日一番の真剣な顔で食い入るように聞いていました。

 

202323日 ハローアルソンフィリピン医療を支える会 団長 関口敬人