2022.12.16 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 先週はワールドカップで日本がクロアチアに負けてしまいました。ベスト8にどこがなったのか全く興味をなくしてしまいました。優勝を争うのはアルゼンチンとフランスになりました。スポーツの世界もグローバル化が進んでいますからどちらのチームにもひいきにしている選手がいるのではないでしょうか。しっかり応援して下さい。

私は「日本」が本当に好きなのだと思います。何においても日本は「素晴らしい」と賞讃される国であって欲しいです。かつて、明治時代の日本人を見たフランス人の外交官、ポール・クローデルに日本人は貧しい。しかし高貴だ。この地球上に一つの民族を残すとしたらそれは日本人だと言わしめた日本人にあこがれます。それがどうでしょう。親が子を殺したり、人の家にドロボーに入ったり、農家の方が手塩にかけて育てようやく穫り入れ(とりいれ)の時に丸ごと盗んだり、日本人としてもそうですが、人間としてやってはならないことばかりです。私達の生活からしたら、明治の時代は貧しくて大変だったろうと思います。乗り物にしても馬車かようやく鉄道が走り始めたぐらいで、ほとんど歩いて生活を支えていたはずです。それが今では各家庭に自家用車があり、いつでもどこへでも簡単に行けます。買いたいものはスーパーかコンビニでなんでも手に入ります。今生きる人達の中で何人の人が明治の人に負けない思いで生きている人がいるでしょうか。

他所(よそ)の家の芝生はきれいに見えす。ただ他所(よそ)の芝生だけ見ていても自分の家の芝生がきれいになるわけではありません。きれいにするには雑草を抜いて定期的に芝を刈り込まなければきれいになりません。ほったらかして芝生が美しくなることは有りません。

ワールドカップで活躍している人達は生まれながらの天分もあるでしょうがそんなことでは選手になれません。それこそ死ぬような努力を何年も何十年も続けて代表選手になれるのです。その代表選手が命懸けで試合をするから素晴らしいのだと思います。

ポールクローデルが地球上に一つの民族を残すとしたら「それは日本人だ」と言わせた明治の人達はすごいと思います。明治の人達がワールドカップで活躍したわけではありません。むしろこの人達はスポーツを楽しむというゆとりはなかったと思います。ひたすら「生きることに」命懸けだったはずです。ボロボロの衣服だったかもしれませんが命懸けで生きる姿に感動したのだと思います。ワールドカップで全力で闘う選手達の姿に私達が感動しているようにポールクローデルの目には貧しくても精一杯生きる日本人が美しく輝いていたのだと思います。

私達はその明治の人の血を受け継いで生まれてきました。もう一度原点に立ち返って、ぐちを言わずコツコツ努力を重ねる日本人になって、今は星の国に住んでいる明治の人達に安心してもらえる社会をつくりましょう。そういう社会は恵まれない人が生き活きと生活出来る社会です。強い者がえばり散らさず、弱い人を救える社会です。

                              20221216

 

医学博士・歯科医師  林 春二