祐介先生、牟田さんこんばんは。
大騒ぎになった安倍元総理大臣の国葬なのか国葬儀なのか判りませんが、とりあえず無事終了しました。同じ国葬でも9月20日に行われたイギリスのエリザベス女王のそれとは、余りにも違っていてビックリした人も多いのではないでしょうか。
皆さんは上から目線の意見と、同じ目線でいわれる意見では大きな違いがあるように思いませんか。同じことをやるにしても一緒にやろうかと上司に言われると萎縮することもなく、むしろ伸び伸びとやれてうまくいくことが多かったのではないでしょうか。ところが上司から細かいことを言われると、大丈夫かと心配になりうまくいきません。例えうまくいったとしても喜びにはつながらなかったと思います。
医療の現場でもコミュニケーションがうまくいっている診療室では明るく、希望に満ちた笑顔が絶えなくて患者さんに喜ばれていると思います。ところがいつも先生の嫌みやおこりとばす声がしていると、患者さんまで怒られているようで嫌な思いをされるようです。そういう声を患者さんから聞かされる時は自分も気をつけるように心のネジを巻き直しています。
過ぎてしまったことは取り返しが出来ません。だからと言ってやり過ごしていいということではありません。どうしてそうなったのか、どうした方がよかったのか素直に見返る方がいいです。祐介先生の話の中にデンマークの話が時々出てきます。実際デンマークとはそういう国なのです。
私が2度目にデンマークを訪問したのは1987年の12月でした。デンマークの福祉が素晴らしいのは寒い国だから、国民が寄り添わなければならないので弱い立場の人を救える福祉が必要なのではないかと思っていました。それはそうなのですが、その年の12月にレイバックトウという新しい訪問システムに移行しました。大型の施設中心の福祉から在宅へ切り替えた時でした。施設から在宅に変わると、常に人がいた施設から家に移ると誰もいないため寂しくなり、つい往診の依頼をしてしまいます。訪問してみると大したことないことが多く、当番医が、利用者と電話するだけで解決させるシステムでした。デンマークは大型施設から在宅へ、そして問題が生じたらレイバックトウというシステムに直ちに制度を変えて国民に迷惑をかけないようにしています。日本の問題があっても10年はやり続けてしまうのとは大きな違いです。その好例が消費税で日本の経済発展がなくなったのは消費税を導入してからです。一日でも早く消費税をなくして経済を活性化することが良いでしょう。
2022年9月30日
医学博士・歯科医師 林 春二