祐介先生、牟田さんこんばんは。
あれほど暑かった夏も過ぎ、朝夕はめっきり涼しくなりました。今年の梅雨は短くてよかったのですが、夏になって梅雨前線が居すわり東北地方に甚大な被害が出てしまいました。川の氾濫でとり入れが間もなくの野菜畑に水が入り込み、一年間苦労してきた野菜を捨てなくてはならなかった生産者の皆様に心からお見舞い申し上げます。
地震や災害の被害は目で見えますから、大変だ、何とかして欲しいとなりますが、今回のコロナによる被害者、感染してしまった人は勿論のこと、濃厚接触者の皆さんは働くことも出来ず、収入が絶たれてしまったと思います。感染をおそれる人が増え、観光地や様々な商店が開店しても客が集まらず、大幅な収入減になってしまった人、そこで働いていた人達が雇い止めに合い収入が全く絶たれてしまった人など自然災害と違って目に見えなくても大変な思いをしていたのではないかと思います。
もっと気の毒な人達も沢山います。この30年間、つまり消費税を導入してからズッーと日本経済は下降を辿り、消費税導入前には世界でナンバーワンだったのに、消費税が3%から5%に、5%から8%に、そして8%から10%に上がる度に日本経済は下降し世界で唯一の経済発展しない国になってしまいました。
国民の所得でどう変化したかを見ると国民の所得の中央値、つまり1億2千5百万人の所得を横並べしてその中央に来る人の所得額を見ると1995年、545万円だったものが2014年には437万円で、108万円も下がってしまいました。これでは国民の消費は下がりますから経済生長をする訳がありません。
1997年消費税が導入された年から2017年まで民間部門の時給変動率を見ると韓国150%以上、英国80%以上、米国70%以上、フランス60%以上、ドイツ50%以上あがっているのに日本はマイナス10%で賃金も減少しています。これも日本の経済成長が下がっている証拠です。
IMFのデータによれば2000年には2位だった経済力が2010年には18位に、2020年には23位に、そして2021年には28位に下がってしまいました。
日本は経済成長をしないため国民の貯蓄ゼロ所帯の割り合は20歳代61.0%、30歳代40.4%、40歳代45.9%、50歳代43.0%、60歳代37.3%もいます。
また厚労省の調査では生活が「苦しい」「やや苦しい」と感じている世帯の割合が全世帯の54.4%あり、母子世帯に限ってみれば86.7%になります。子供の貧困の問題はここから起こっています。
貯蓄ゼロの人達や、生活が苦しいという人は災害などと違い実際に目で見ることは出来ませんから深刻な問題です。わが国が少子化と言われて40年近くなりますが、少子化と個人所得は密接に関わっています。少子化の歯止めは所得を上げるしかありません。日本経済が下降を始めた原因が消費税の導入にありますから、もう一度消費税を0にして日本経済を世界中があこがれるようにすることが急務だと考えられます。
2022年8月26日 医学博士・歯科医師 林 春二