2022.08.05 林会長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは。

 暑い暑い日が続きます。かと言えば経験したことのない大雨で大変な思いをしている人も多いと思います。線状降水帯に襲われ、被害を受けてしまった地域の皆様に心からお見舞申し上げます。

 少なくても今から30年前、私がまだ50才になったばかりの頃、軽井沢ライオンズクラブの会長をさせてもらっていた頃でした。〝地球温暖化″について毎月のようにエッセイを書きました。私達の大量生産、大量消費社会、つまり「作っては捨てる」という社会が地球環境を壊しているのではないかということでした。しかし、学者の中にはCO₂による地球温暖化ではなく、地球が氷河期に向う周期に入っているからその影響で、大量生産、大量消費とは関係ないと言う人もいました。しかし、30年経った今はどうでしょう。排気ガスによる温暖化に異論を唱える人はいないでしょう。

 30年前というと悪名高い「消費税」が導入された時期に重なります。今と全く違って日本はものすごく好景気でした。ソニーがアメリカのロックフェラービルを買収するという話題が出ていた程です。ソニーというと超有名なオーディオメーカーでした。しかし現在はどうでしょうか?日本の多くの企業は生き残りさえ危ぶまれる状況にまで落ち込んでしまいました。この時問題になったのは日本の税制が直接税、すなわち企業の法人税や個人の所得税の税率が高いので、ここに間接税を入れて直接税と間接税の比率を変えた方がいいという声でした。物やサービスが移動するたびに税金をかける間接税の導入です。大企業はじめ利権団体の要望にこたえて自民党が作りました。それから日本の経済力は落ち続けOECDGDPで比較すると2000年は第2位、2010年は18位、2020年は23位、そして2021年はとうとう28位まで下落し続けてしまいました。世界第二位のGDPだったものがこれだけ下がったのは世界中で日本だけです。

 消費税は物を買えば必ず消費税がかかり、割高のものを買わせられるという心理は購買意欲を下げてしまいます。これが景気を悪くしてしまいました。最初は3%でしたが19975%へ、20148%へ、2019年から10%へ、引き上げられ、その都度日本の経済は大きく後退しました。この30年間一回も経済は好転していません。GDP世界一位のルクセンブルグは日本の実に3.47倍の生産率になっています。ですから、この消費税の導入は自民党政権の最大の失敗策だったと言えるでしょう。2019年の衆議院選挙までは消費税減税を公約にする政党はありませんでしたが、れいわ新選組がはじめて消費税廃止を上げ今回の衆議院選挙では野党はほとんど全てが減税を上げていました。金持ちに有利で低所得者に重税感がある消費税減税が日本経済浮上の最短近道であることは間違いないでしょう。

 

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医学博士・歯科医師 林 春二