2022.05.27 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

私の地元栃木県那須では朝から雨が降り特にお昼ぐらいからは雷も伴うかなりの量の雨が降りました。

今年は梅雨入りが早まるような予報も出ていますが、例年に比べ5月の雨量が多い気もしますね。これから本格的な雨季に入りますが、急激な天候の変化による災害には十分備えなければなりません。

しかし、祐介先生、ゲリラ豪雨的のような雨を見ると、フィリピンのマニラで見たあの子供たちを思い出しますね。

ある年、私たちは祐介先生、愛知の加藤先生、岡山の木本先生と共に2月現地で行われるハロアルボランティアのための事前調査にマニラを訪れました。その日はちょうど台風の影響でマニラでは数時間おきに土砂降りのようなスコールが降っていました。

あるエリアに着くと、まさに突然の雨。私たちがバスケットコートで一時的に雨宿りをしていると、子供たちが一斉にそのスコールの中に飛び出しなにやら騒いでいます。

私はメンバーに尋ねると、「スラムの子供たちは雨が降ると外に出て髪の毛や体を洗う。

勿論石鹸などはないが、体を洗うきれいな水などここには存在しないからね。」

また、別のエリアでは祐介先生と衝撃的な場面に出会いました。

大雨の中、マニラ市内では路上駐車が何台も並ぶ中、小さな姉妹が車のフロントガラスの前で何かをしていました。それはなんと大雨の中、ずぶ濡れになりながらフロントガラスからしたたり落ちる雨水を7,8歳くらいでしょうか、お姉ちゃんが必死に手でその雨水をかき集めペットボトルを受け皿にして集めているのです。そしてその溜まった雨水を4,5歳くらいの妹の顔や頭にかけ、洗っているのです。通訳に尋ねると「街中では雨どいの水は不衛生だからこうやって子供たちは水を集めて体を洗っている。」と言いました。

私はあの光景を今でも鮮明に思い出します。スコールのような雨が降るたびにボロボロの服をまとい、やせこけ、日焼けとほこりで真っ黒になった体を雨水で洗う子供たちが日本からたった飛行機で4時間の場所にいます。

現在、ハローアルソン・フィリピン医療を支える会ではコロナ禍のため現地活動が2年間延期となっています。しかし、ここ数日私たちのHPのお問い合わせフォームに、多くの方から物資支援のご質問が寄せられ、今朝は東京都八丈島八丈島町の社会福祉協議会さんから物資の問い合わせ頂きました。私の地元でも新たな会社や地域の人達が毎日のように物資を届けてくれます。このお手紙を書き終えたころ、ちょうど雨もあがり、診療室に夕日が差し込み始めました。祐介先生、あの雨水をかき集めていた幼い姉妹は今頃どうしているでしょうね・・・。

 

2022527日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人