祐介先生・牟田さんこんばんは。
今週はほとんどロシアがウクライナに侵攻したニュースでいっぱいでした。北京冬季オリンピックでもロシアのワリコワ選手がドーピング問題を起こし、ロシアという国の不透明さ、手に入れたいものはどんなことをしても手に入れるという手法は、私達にこの国の持つ不気味さを与えていました。一発勝負のオリンピックではその日の体調、好不調が出てしまいやすく、普段の実力が発揮できずに涙を流す選手も多い中でメダルを獲得してくれた選手達、本当におめでとうございました。こうした話題のあったオリンピック直後にロシアがウクライナに侵攻したのですから驚きました。1991年ソビエト連邦が解体する時に当時の大統領ゴルバチョフとアメリカでソ連崩壊後、NATOは旧ソ連側に拡大しない密約があったそうですが時代が移り変わり次々にNATO側に入ってしまい隣接しているウクライナが最後の砦になってしまいました。2014年にクリミア半島に武力侵攻しウクライナから奪取。今回のウクライナ本土への侵攻はこの延長線上にあるものと考えられます。ソ連崩壊時にどんな密約があったとしてもその独立したそれぞれの主権国家が選択する権利を武力をもって変更させるという手法はどうなのかと思います。今回ロシアは核を使うことをほのめかしていますから厄介です。こんな時でも国際連合の力で強制制止できません。
ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは第一にフィリピンのスラム住民の無料の歯科治療、第二にそこで使うハブラシ、タオル、石鹸などを集めて届ける。第三にこの活動を通して日本人の優しさや思いやりを思い起こしてもらう。第四にこの活動にこれからの日本を作っていく高校生にも参加してもらうという4つの柱で活動しています。20年前には20名で高校生はたった1名しか参加してもらえなかったのに今では高校生が70名以上参加してくれるようになり、今までに参加してくれた高校生も500名を越えました。直接参加をしてくれる人もいますし、現地に行くことは出来ないけれど資金をカンパしてくれる人、ハブラシ・タオル・石鹸などの物資を提供してくれる人、物資の荷造りや倉庫の整理などを協力してくれる人など様々な形で協力してもらっています。関口団長や祐介先生のように日常の診療が全てハローアルソン・フィリピン医療ボランティアという人もいますが、多くの協力者の皆様は強制されることなく自分の出来る時に出来るだけ協力するという形でやってくれています。しかし、芯がブレなければ活動は確実に大きく、しっかりした内容になっていきます。この20年の間に参加者も増え協力者もどんどん増えています。私達は当事者ですから批判的な言葉を聞きませんが、全てがいいというだけではないと思います。しかしこのボランティアに参加する高校生は一人で決めていける訳ではありません。少なくとも保護者の皆様、何より学校長の認めてくれる人という制限をつけていますから沢山の皆様の賛同と協力がなければ参加出来ません。そこが今回一人で決めているウクライナ侵攻とは大きな違いだと思います。
2022年3月4日 医学博士・歯科医師 林 春二