祐介先生、牟田さん、キョウヤさんこんばんは
私はこの年齢になったせいか、最近人間にとって最も大切なものはと言われると、「健康」と答えます。そして人類にとって最も大切なものはと問われれば私は迷わず「平和」と答えるでしょう。
先日その「平和の祭典」と呼ばれる「冬季オリンピック北京大会」が終了し、選手たちの素晴らしい活躍に世界中が感動しましたね。そして3月からは「冬季パラリンピック」も開催され、障害を持ちながらも血の滲むような努力から生まれる「諦めない力」によって再び私たちは感動し、勇気づけられることでしょう。
そのまさに4年に1度の平和の祭典の最中、ロシアはついにウクライナに軍事攻撃を開始しました。なんということでしょう。なんと愚かなことでしょう。テレビから流れる映像からはミサイルの轟音に泣き叫ぶ子供の声が聞こえ、街には空襲警報のサイレンが鳴り響いています。
この武力による侵略行為にはいかなる理由があろうとも世界中の国々、そして平和を願うあらゆる組織や団体が断固として容認しないという強い姿勢を示すべきです。
私は特に政治的中立性といえど、IOC(国際オリンピック委員会)や中国は開催国として然るべき声明を発表するべきだと思います。なぜなら国連はオリンピック開会7日前からパラリンピック閉会7日後までを「あらゆる紛争の休戦」期間とすると加盟国に呼びかけ、ロシアや中国は共に共同提案国として署名されているからです。しかし、現実には2008年には北京五輪開会式当日にジョージアに侵攻し、2014年のソチ五輪閉会直後にクリミア半島へ軍事侵略をしました。そして国家ぐるみの組織的ドーピング問題や隠ぺいを重ね、これほど平和の祭典であるオリンピックを侮辱しながらもIOCは「個人資格」という中途半端な選択肢を与え、終いにはプーチン大統領の開会式出席を認めるとは、まさに異形としか言えません。
祐介先生、ラジオでの表現には不適切かもしれませんが、プーチン大統領が軍事攻撃の正当性を必死に訴えるあの様子や画面に映る彼の表情や目は完全に〝いってます″。
しかし、人の命を奪うという判断ができる人間のまさに正気の沙汰ではないあの様子に、私たちの国の首相が太刀打ちできますかねぇ・・。経済制裁は当然としても、もっと強いメッセージと毅然とした実行力を他国としっかり連携をしなければ、本当に取り返しのつかない事態になると思うのは私だけではないはずです。
今、にわかにロシアは「核の脅威」をちらつかせています。たった一つしかない地球、たった一つしかない尊い命を何故人間は愚かな過ちを繰り返し続けるのでしょうか。
私たちには祈ることしかできませんが、戦争という最悪な事態を決して許さないという強い思いを持ち続けながら、注視していかなければならないですね。
2022年2月25日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人