2022.02.04 関口団長のお便り

祐介先生、牟田さんこんばんは

 

いよいよ2022年ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア現地活動まで残り1週間となりました!!・・・と例年なら祐介先生が絶叫してくれるところですが、今年も残念ながら新型コロナウィルス感染拡大のため活動は延期となってしまいました。

祐介先生、どうですか?2年間も現地に行くことができない心境は?

全国のハロアルメンバーたちはどんな思いでいるでしょうか。

新型コロナウィルスによって本当に沢山のことが変わってしまいましたね。

そして「当たり前」が「当たり前」でなくなった時、私たちはその存在がいかに自分にとって大切だったかを認識します。私もハロアルの活動が延期となって様々なことを改めて考えるようになりました。

そんな中、先日当院に18年間通院されていた青山さんという患者さんが肺炎のためお亡くなりになりました。青山さんは18年間毎月必ず歯周病予防処置に通院されていた方でしたが、その訃報を知ったのは、奥様が遺品整理をしていた所、袋に歯ブラシが沢山入っていたのを見つけ、これはきっと毎月来院するたびにこちらに届けていた物資に違いないと思い、当院に持ってきて下さったのがきっかけでした。私は突然の知らせに驚き、奥様に心からのお悔やみと感謝を申し上げました。その夜、私は青山さんのカルテを見直すと、そこには治療履歴の他に沢山の思い出が書かれていました。腹筋を毎日20回していることや、お酒が大好きなこと。マラソンが趣味で色々な市民大会に出ていたが娘さんが手術の時は付き添いのため欠場して残念だった事・・・。そしてもう一つ。毎月の予防処置の際、欠かさず歯ブラシを持ってきて下さった事・・・。その回数は18年間で148回。青山さんは毎月必ず数本の歯ブラシ、多い時は30本以上の歯ブラシを持ってきてくださいました。そして必ずこう言うのです。「少なくてすみません。先生は偉いですね。どうぞお体にお気を付けください。」私はその度に「いえいえい、いつも本当にありがとうございます。」とお礼を言い、いつしかそれが治療前のご挨拶にもなっていました。そしてコロナ禍で少し外出を控えたいとおっしゃったときも、歯ブラシだけは毎月必ず持ってきてくださいました。そして特に青山さんが応援して下さったのが高校生達です。青山さんは高校生の活躍を見るたびいつも「若いって素晴らしいね」と笑っていました。

青山さんが準備して下さっていた歯ブラシの束を見ると本当に感謝の気持ちでいっぱいになり、そして思いを託された責任を改めて感じました。

来週は私もハロアルレディオに出演させていただく予定です。現地活動は延期となっていますが、いつでも気持ちは熱く、これからもしっかり準備をしていきたいと思います。

 

 

202224日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人