2021.01.28 林会長のお便り

祐介先生・牟田さんこんばんは。

毎日、毎日「今日は寒いですね」というのが挨拶になってしまいました。

安倍政権になってから民主党の政権より「経済面ではよくなった」という声を聞きます。本当でしょうか。確かに株価が上がったり、企業の利益が大幅に上がったという話をよく聞きます。それでは皆さんの(ふところ)具合は民主党の時より良くなったでしょうか。

私は地方にいるので景気が良くなったという話は民主党政権が終わった後も全く聞いたことがありません。

国民の所得を見ると、1995年には国民の所得の平均値は545万円でした。ところが2019年には437万円になってしまいました。大幅な財政出動をしたにも関わらず108万円の減収です。つまりお金持ちはさらにお金持ちになったかもしれませんが、民間の私達には関係なかったということです。世界中がリーマンショック以来、日本のように経済成長しなければ仕方ありません。

世界各国の名目(めいもく)GDP成長率の第一位はカタールでプラス1,968%、第二位が中国でプラス1,414%、第三位のナイジェリアでさえ1,000%近いプラス908%です。中央値はプラス139%です。経済破綻したギリシャでさえプラス40%。なのに日本は最下位のマイナス20%です。日本の経済政策が間違っていたということです。どこの国も日本のようにプライマリーバランスがどうのこうのと言っていません。必要なところへ財政出動して成長戦略をとっています。つまり国債残高がゼロなどという国はありません。

年齢別貯蓄ゼロ世帯の割合を見ると、20代で61.1%、30代で40.4%、40代で45.9%、50代で43.0%、60代で37.3%です。生活が苦しい、やや苦しい世帯を見ると全世帯の57.7%で、母子家庭では実に82.7%に上ります。困っている人がとても多いのです。

それでは世界の経済成長率と日本の違いはなぜ起きたのでしょうか。一番大きいのは消費税の導入です。消費税は社会保障のためと思っている人がいますが、実際に使われているのは15%だけで、70%は大企業の法人税減税に使われています。特に民主党政権とよく比較される安倍政権は消費税を10%に引き上げるときに、「消費税財源はそのすべてを確実に社会保障に使い、着実に子供・子育て支援、医療介護等の充実を図る」と言いながら実際には5分の4は国債の返済に使っていたというあきれた経済政策だったことです。

私達は国債は借金だと頭の芯から洗脳されてきました。テレビや新聞のニュースでも国債残高が1兆円を超えて「国民一人当たり800万円近い負債がある」と・・・・「国債をこれ以上増やしてはいけない」「国の予算は税金の収入の中でまわし、次世代の人につけを回してはならない」という考え方です。この考え方の間違いを次回話します。

2022128

 

医学博士・歯科医師 林 春二