2022.01.21 林会長のお便り

祐介先生・牟田さんこんばんは。

2022115日トンガ諸島で海底火山が爆発して大きな被害が出てしまいました。8,000㎞も離れた日本でも被害が出たほどですから現地は大変だったろうと思います。

1月といえば阪神淡路大震災も27年前の平成7年、1995117日でした。あの時は寒い中の震災で大変でした。今回のトンガ諸島の災害は通信手段が被害を受けて不通になった上、トンガは「ゼロコロナ政策」をとっているのですぐに支援を受け入れてくれません。近くのニュージーランドやオーストラリアの支援さえ受け入れられない状況でした。時間がたつにつれ現地の様子がわかってきて衛星写真で見ると、ほとんどのところが火山灰に覆われています。食料や飲料水にすぐに困るでしょう。生きるために支援を受け入れるかゼロコロナ対策を貫いて命を奪われるか大きな試練が待っているように思います。

そういう日本だって第5波までのコロナ対策でダメージを受けてしまいました。多くの人たちが経済的な支援を求めているのに、その声が届かないうちに第6波です。第5波がほとんど収まってから3か月、次の対策をとる時間はあったはずです。与党の皆さんは与党だけが国民からすべて信任されていると錯覚しているのではないでしょうか。少なくとも半数近くの人は野党に票を入れているのです。その中で一番多くの票を集めたのは与党の皆さんだということだけで、自分たちの好き勝手にしていいということではありません。その証拠にどんな法案も国会で審議して採決してからでなければ承認されないのです。

それならば、もっと野党の意見を取り入れたらいいと思うのです。今回も野党からはもっとしっかり水際(みぎわ)対策(たいさく)をとった方がいいPCR検査をもっとやれるように体制を整備した方がいい、それよりも自宅療養をしなければならないときにしっかり経済的な支援をして、心配なく療養が出来るようにすることが感染者を減らすことにつながるのではないかという意見が出ていました。どれもこれも国民としては望んでいるものばかりです。

ところが政府はこれらの声にはどうも積極的ではありません。病床の確保にはつとめたかもしれませんが、今回のように急拡大するオミクロンに十分なのかというとそれも安心ばかりはしていられません。ここにきて飲み薬「モルヌピラビル」が承認されたことは不幸中の幸いです。しかし現場では使いたくても使えないので不安の声が上がっています。ワクチンと同様に「モルヌピラビル」の絶対数が足りないのですから、これで一安心(ひとあんしん)というわけにはいかないでしょう。

そんな中で感染者はあっという間に4万人を超えてしまいました。同じことの繰り返しでは国民は納得しないでしょう。コロナ禍を乗り越えるために与野党協力して、しっかり対策を練ってください。

2022121日 

 

医学博士・歯科医師 林 春二