祐介先生・牟田さんこんばんは。
今夜は、ハローアルソン・フィリピン医療ボランティア2020に参加した冨山果純さんの感想文を紹介します。
私は幼い頃から、身近な人の影響により「医師」という職業に漠然とした憧れはありましたが、決意を固めるきっかけがありませんでした。周囲の友達は、自信を持って将来の夢とその理由について話しているのに、私には明確な理由も強い意志もなく、医師として人を救うことに対する自信もありませんでした。そんな時、このボランティア活動の存在、また同時に、過酷な発展途上国の現状を知りました。初めは、参加することがただの自己満足に思えて躊躇いもありました。しかし、たとえ自分の行動が自己満足にすぎなくても、同じ地球に住む「仲間」として現地の人々の助けになりたいという気持ちや、自らのモットー、そして、人を助けるという行為を通じて、何か自分の意識が変わればと思い参加を決意しました。(中略)医療奉仕活動では、多くの衝撃を受けました。シャワーブースに来た、泥だらけの小さな男の子や、小さな子供たちが血を流しながら歯を抜かれている様子を見て、思わず目を逸らしそうになりました。また、どれが抜く歯か分らないほど虫歯だらけの歯を見て、胸が痛みました。歯を抜かれるのが怖くて震えている子供たちに対し、ただ手を握ることしかできないことが、とても悔しかったです。
今回の活動で私は医師になって人を救いたいと思いました。そしていずれは、発展途上国でも活動し、望んでも治療を受けることができない人々の力になりたいです。このボランティアでは、本当に多くの刺激を受けました。今回学んだ事を決して忘れず、今後への原動力にしていきたいと思います。
この時の私のまとめの文章です。この会は、参加してくれた人達にやり方や考え方を押し付けているのではありません。参加してくれた一人一人がどうしたら気持ちよく頑張れるか考えている会です。だからその年の活動が終わると、「参加してよかった」「また参加したい」と言う声がたくさん聞かれるのです。さて今年は(2020年)タール火山の噴火、直前に世界中を震撼させた新型コロナウィルスの発生、身の危険を省みずフィリピンのスラムの人達のために出発したボランティアはどうだったでしょうか。帰りの飛行機の中に響いた「この飛行機にはハローアルソン・フィリピン医療ボランティアに参加した高校生70名が搭乗しています。フィリピンのスラムでの経験が、これからの人生の役に立ってくれることを望んでいます」という機内放送がとても感動的でした。
そして今年、冨山さんは頑張って埼玉医科大学に合格してくれました。とてもうれしいクリスマスプレゼントになりました。リスナーの皆様、この報告集を500円以上のカンパでお分けしています。沢山の人に読んでもらいたいです。
2021年12月24日
医学博士・歯科医師 林 春二