祐介先生・牟田さんこんばんは。
衆議院が解散し、いよいよ総選挙に突入です。私は歯科医師として、今回の選挙では野党連合の方に一票を投じるつもりです。今までの自民・公明党による政権で医療や福祉はズタズタに切りつけられてしまいました。そしてコロナ禍は、更にそのダメージを大きくしています。昨年の4月に厚労省は「不用不急の医療以外は歯科治療を受けに行かないように」という通達を出しました。そのため歯の健康、口の健康を守るために歯科医院に通院していた患者さんの中には、「痛くて治療に行くのではないから」ということで予防処置を手控える人が沢山出て、歯科医院は大きなダメージを受けてしまいました。当初出された通達は後になって取り消されましたが、いったん発出されたダメージは大きく、取り消されたからと言ってすぐに元に戻るわけもなく、医院経営は大きく後退させられました。飲食店なども全く同じだと思います。
次に75歳以上の後期高齢者の窓口負担が1割から2割に引き上げる法案が可決され、2022年10月からの執行が決まりました。コロナ禍で大きなダメージを国民が受けている中での窓口負担の2倍化ですから、高齢者団体からは大きな反対の声が上がりました。この法案は、田村厚生大臣の説明によると「世代間の均等な負担をしてもらうために、75歳以上の人にも応分の負担をしてもらい、若い世代の負担を軽くしてもらうため」ということでしたが、実際には75歳以上の人が年間3万7千円の負担増になるのに対して、若い世代の人は年間700円安くなるだけでしかありません。一日にして2円です。これで若い人達の負担減と言えるのでしょうか。一方、年間3万7千円が増える高齢者は、この負担を低く抑えるために通院回数を半分にするというのです。通院回数が減ることによって医療費は安くなります。年間900億円を政府が負担しなくてもいいことになります。通院してもしなくても病状に変化が無いのなら、医療費を安くする方法かもしれませんがそうはいきません。通院できなくなれば、当然、病状は重くなります。身体的な状況は悪くなって、悪くなっただけで医療費はかさみ医療費は増大してしまいます。高齢者の収入はほとんどの人が年金だけですから、年金の中から支払えなくなれば、子供達にそのツケは回ってきます。その子供達は一日当たり2円しか恩恵を受けていないのに、高齢者を救うために今の倍の窓口負担がかかってしまうのです。若い人達も、今現在、コロナ禍で大きなダメージを受けている上に、こんな政策が国民にとって良い訳はありません。しかし、その最悪のシナリオを自公民政権がとっているのですから賛成するわけにはいきません。私は様々な請願を国会にしていますが、一向に受け入れられません。ですから今回の選挙では、国民の思いを反映してくれる野党の皆様にがんばってもらおうと覚悟しました。
2021年10月15日
医学博士・歯科医師 林 春二