祐介先生、牟田さんこんばんは
この番組で祐介先生が何度も取り上げてくださる「北朝鮮による拉致問題」。
今週10月5日は拉致被害者、横田めぐみさんの57歳の誕生日でした。
当時13歳、中学生だった彼女はバトミントンの部活帰りに忽然と姿を消しました。
それからの内容は皆さんご周知の通りですが、実は先週の土曜日、私の中学2年生の長女が久しぶりに部活の練習試合があり夕方6時ごろまで学校にいました。最近ではだいぶ日が暮れるのが早く、自転車で帰宅する娘がとても心配でした。その日、娘がいつもの通学路を自転車で帰宅していると突然前方に止めてあった車の中から60歳くらいの男性が両手を上げ向かってきたというのです。娘は驚き、大声を上げ、急いで帰宅してきましたが、その後警察や学校に通報し、翌日には地域の不審者情報として一斉に携帯に送信されてきました。私は不安と恐怖で泣きじゃくる娘を「もう大丈夫だよ」と抱きしめ、せっかくの緊急事態宣言明けの部活動が、こんな形になるなんて、その不審者はもちろんのこと、私の所のような田舎に住む子供たちの通学路の危険性を改めて感じました。そしてその3日後に新聞で横田めぐみさんのお母様、早紀江さんの手記「めぐみへの手紙」を読みました。くしくも先日私の娘もめぐみさんと同じ中学生で部活動の帰り道の出来事でした。日が暮れ、今か今かと子供の帰りを待つ親の気持ち。不安と心配が募り、胸が張り裂けそうな時間。早紀江さんはそれをもう43年間もずっと思い続けていると思うと、涙が出てきました。そして手記にはこう書かれていました。
「日本は今、国を牽引する新しい政治のリーダーが決まろうとしています。被害者と私たち家族が生きて、元気なうちに抱き合えるのか。リーダーは覚悟を持ち局面を切り開いていただきたい。日本では近く、大切な選挙が行われます。政治家の皆様、遠く離れた異国の暗闇で、救いを待つ子供たちを思ってください。国民の皆様もどうか拉致事件を己の事として感じ、それに向き合う政治のありようを凝視し、解決を後押しして下さい。」お母様は現在85歳です。皆さん、我が子が突然いなくなり、それが異国の地にいると知り、40年以上も会えず、時の政権に翻弄されながら、一部の心無い誹謗中傷に耐えながらも、最後の力を振り絞って帰りを待つ、私たちと同じ国に住む日本人がいるのです。この問題が明るみになって何人の総理が「全力で取り組む」「最重要課題」と言って来たでしょうか。また与党も野党もこの問題を政治生命の核として訴える政治家を私は未だかつて見た事がありません。自分の派閥のためにあれこれ電話を掛ける元総理、宇宙人と揶揄された元総理、その他歴代の全ての総理がこの問題を解決できなかったのであれば、今こそ超党派となり、日本の元総理で作る「拉致問題解決党」となって最後の政治力を見せて欲しいと願うのは私だけでしょうか。私たち国民にできることは無事を祈り、風化させないことだけです。だからこそ今、政治が試されているのです。
2021年10月8日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人