祐介、牟田さんこんばんは
中秋の名月、「真ん丸」お月さんきれいでしたね。といっても全国各地で目にしたわけではありません。目にできた人は幸せな人です。そして目にできなかった人はもっと幸せです。見えない月を追い求めた真剣さ、いつか目にしたことのある真ん丸お月様を心の中に思い出そうという真剣さが普段眠っている感性を高めてもらえるからです。
私は何年か前に東京の新宿にある参仁会佐藤歯科医院で話したことを思い出していました。今は亡くなってしまいましたが大変お世話になった佐藤二三江先生が理事長でした。先生は日本歯科衛生士会の副会長をされたので知っている方も多いと思います。 そこで話したのはデンタルエックス線写真に写っているもの全てを「心の目見る」ということです。歯が動揺しているとき骨はどうなっているのか、どういう痛みになるのかしっかり観察しておくのです。そういう積み重ねが訪問診療に行ってレントゲン写真が撮れなくても、歯の動揺をみただけで、歯の周りの骨の状況まで推測できます。雲の中に隠れて見えない月なのに、目を閉じて思い出せば以前見たことのある満月が見えるようなものです。それが先生の感性です。
さらに以前の写真と比較してみると、この間に起こった変化がわかります。その期間が10年ならば10年先の予見ができます。それが将来を見通せる診療になります。ただ漫然と診療していたのでは何も感じることはできません。すべて先生の力になります。
何年も前のことを思い出したのはお彼岸で今は亡き人が私を呼び起こしてくれたのだと思います。佐藤先生の霊だけでなく、私に関わりのあったすべての人に心を運びたいと思います。ありがとうございました。皆様安らかにお休みください。そして私たちをお守りくださることをお祈りします。
オリンピック・パラリンピックの時あれだけ増えてしまったコロナ感染者も今秋に入って大分落ち着いてきました。医療関係者の皆さん、少しは体を休めてください。ご苦労様でした。それから行政の皆さん第6波があったとしても今回と同じ轍は踏まないでください。医療関係者が余裕をもって診療できる体制を早急に作ってもらいたいです。
この間の問題点は国民がPCR検査を期待しているのにしてもらえなかったり、感染した時には入院させてもらいたいのにさせてもらえないことへの不満なのです。規制緩和やGoToももちろん大切ですが、ぬか喜びでは困ってしまいます。どんな対策を取ろうとも感染者が増えてきたらすぐに対応することが大切です。協力者への補償にしたって対応が遅すぎます。業種によって違ったり、組織の大きさで左右させられたりで、国民が納得できないことばかりです。国民が等しく保証される特別給付金がいいです。それができないのは利権に結びつかないからですか?国民は一番喜びますよ。誰かれの違いがない上に、全員が同じ恩恵だからです。その代わり我慢できないとか、もう無理など
と言わないで、どんなに大変でも我慢して一日も早くコロナを退治してみせます。
2021年9月24日
医学博士・歯科医師 林 春二