2021.08.20 林会長のお便り

裕介先生、牟田さんこんばんは

心配していた長雨の被害が各地で起こってしまいました。被災されてしまった皆様には心からお見舞い申し上げます。みんなで力を合わせて被災された方が一日も早く復帰できる制度にしてもらいましょう。こんな災害は日本の各地で起こる可能性があるのです。今回は逃れたとしても明日(あす)我が身という可能性もあります。また政府に要求するにも被災者は自分のことですから言いづらいこともあるでしょう。しかし私たちは被災者の言いたいことをしっかり言える立場にあります。また第三者の意見ですから客観的でもあります。それがいいのです。

新型コロナ感染者が増え続けています。いくつかの都府県では入院できないために自宅待機している人の中から急変を起こし、亡くなってしまう人が出ています。みんなが心配していた通りオリンピックで緩んでしまった心を緊急事態宣言で押さえつけようとしてもどうにもならないことを菅首相は気づいているでしょう。私はこの間の国民との意識のずれはあのイソップ物語の狼と少年に思えて仕方ありません。

政治家の皆さんは新しい知識や情報を知るのは自分たちの特権で、自分たちの意見がすべて正しいと思っているかもしれませんがとんだ間違いです。英語が堪能な人は欧米諸国の文献を原書で読んでしまい、政治家の皆さんより早く正確に知っている人が沢山います。ですから日本がこれからやろうとしていることの良いところも問題点も政治家の皆さんより、よく知っている人もいます。ですから国民の声をもっとよく聞いてください。そしてその声に的確に、素早く反応してください。菅首相が初めにやった失敗は日本学術会議の任命の過ちです。歴代の首相が続けてきた伝統をものの見事に否定してしまいました。もっと問題なのはしっかりした状況説明ができない底の浅さです。国民は賛成する識者の意見も反対する学者の意見もいやというほど知っています。何が問題なのかわかっています。だからこそ菅首相のみんなが納得できる言葉を待っていたのです。次にGO TOキャンペーンはいい面もあったでしょう。これで息をついた旅行関係者もいました。しかしコロナの感染者が拡大したら、どんなに大変でも止めなければなりません。撤退することです。それすら出来ませんでした。そのためにさらに全国に拡大させてしまったのです。第二次大戦の時と全く同じでした。極めつけはオリンピック開催の件です。こんなにコロナが蔓延している中で大きなイベントをやったら気が緩んでコロナはもっと大変になるのではないかと思うのが当たり前です。気のゆるみや不注意が感染症を拡散するに決まっていると思うからこそ、このタイミングでやるのではなく、延長する方がいい、あるいは中止するしかないという声が過半数以上を占めたのではないでしょうか。案の上、やってもいいんだという思いは全国にいっぺんに広がってしまいました。それが今日の医療崩壊の導火線になってしまったのですから菅首相、組織委員会の橋本会長、小池都知事の責任は重大です。    

 

2021820

 

医学博士・歯科医師 林 春二