裕介先生、牟田さんこんばんは。
東京ではまだ灼熱の暑さが続いていますが、こちら信州の朝夕は秋風が吹き、時には肌寒さを感じるほどです。東京ももうしばらくしたら涼しい秋風が吹きます。元気を出して残り少ない夏を乗り切りましょう。なんて悠長なこと言っていられません。フィリピンのミンダナオ島でマグニチュウド7.2の地震が発生しました。私たちが応援しているマニラからはだいぶ離れていますが、スラムにとっては大変だと思います。家といっても小屋よりひどい家ばかりですからひとたまりもないのです。何とか無事であって欲しいです。また、日本の各地で雨による被害が出ていますが大きな被害にならないように祈っています。災害の多い国ですから最低限の家は国の保証で作って欲しいです。いつも被災者だけの問題にしてしまうから前に進まないのです。
東京オリンピック・パラリンピックの前半戦が終わりました。アスリートの皆さんの頑張りでコロナ禍にいることさえ忘れてしまうようでした。メダル獲得者も増えましたがコロナ感染症も急増してしまいました。政府は慌てて緊急事態の延長を決めましたが人の心は変えられません。どんなに叫んでみてもいったん離れてしまった心は元に戻らないのです。そして重傷者が増えすぎて入院さえできなくなってくると今度は入院制限です。やることなすこと国民の思いとかけ離れています。オリンピック・パラリンピックにはあれだけ熱心になり、国民の声は聞かないで開催に向かっていた時になぜ病床を増やせなかったのでしょうか。なぜ緊急事態宣言をしなければならなかったのか見つめることができなかったのでしょうか。
これからパラリンピックが始まります。コロナ感染症がこれ以上になったら制御できなくなってしまいます。その一方でコロナ感染者はあっという間に増えて過去最高になってしまいました。コロナ禍の最中ですから多くの専門家だけでなく国民の間からも今はすべきでないという声が圧倒的に多かったのです。それを振り切ってやったのですからなるべくしてなったということでしょう。誰がこの責任を取るのでしょうか。
すでに医療崩壊は始まっているのです。賛成者の皆さんは感染しても医療機関を利用しないでいられるのでしょうか。もう少し冷静になりましょう。何事をするにもまず命を守る行動こそが大切なのです。やりたいからやる、好きだからやるというのは駄々っ子です。オリンピック・パラリンピックは素晴らしいけれども命が救えるわけではありません。いま国民が大変なことになっているのです。政治家の皆様には気の毒ですが何度も言ってきたように今こそすべての人に均等にわたる特別給付金を出して国民の皆様に自宅にじっとしてもらうことです。国民の冷え切った心を動かすのはこれしかないのではないでしょうか。
2021年8月13日
医学博士・歯科医師 林 春二