2021.07.09 林会長のお便り

祐介先生・牟田さんこんばんは。

熱海で大きな土砂崩れに遭って亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、まだ行方の分からない方の一日も早い救助を祈っています。またマイホームがありながら、大変な思いをされている皆様に心からお見舞い申し上げます。

前回、私は患者さんの治療中や治療後に「これから100年頑張りましょう」と話していることを書きました。それぞれの年齢になるまで、生きるために細かく計画を立てていた人はいないと思います。深酒をしたり、夜更かしを重ねて病気になって、尊い命と引き換えてしまった人も決して少なくないと思います。しかし、これからは違います。体に無駄な負担をかけないように慎重に、そして計画的に生活していたら(かか)らなくてもいい病気になって命を落とすようなことはなくなります。そのためにも「これから100年生きるために」という決心をしても損はないと思います。

東京オリンピック・パラリンピックが、紆余曲折(うよきょくせつ)ありましたが無観客で開催されることになりました至極(しごく)当たり前のことです。様々なアンケート、沢山の人達の要望に対して一切耳を貸さなかった自民党でしたが、先日行われた東京都議会議員選挙で33議席を獲得して第一党になったものの、選挙前には50議席以上をうかがっていたのですから、ショックは大きかったと思います。このショックが無ければ東京の第4回目の緊急事態宣言も、オリンピック・パラリンピックの無観客開催も考えられなかったのではないでしょうか。謙虚で誰から見ても素晴らしい社会人とは程遠いのが政治家ですが、最大のウィークポイントは、あのイカツイ弁慶にもあった泣き所の「スネ」と同じ「選挙に負けること」だということがはっきりしました。東京都民の選択はすごく「偉大な力」だったことが分かります。それまでの何社かのアンケートで、東京オリンピックを「このまま開催したほうがいい」はたった30数%でした。無観客、再延長、中止を合わせると60%で圧倒的に反対の意見が多くても、菅首相や閣僚は「安全で安心な開催」と言い張ってビクともしなかったのです。東京都民はこのまま開催させてコロナ感染者を拡大することは、経済にとってもダメージになるという判断をしてくれたからこそ今回の結果になったのです。このままいくと衆議院総選挙もダメージになると思ったから、あれほどやりたかった「有観客1万人」をあっさり引っ込めたのです。政治家を生かすも殺すも選挙次第です。今の日本はオリンッピクも大切ですが、医療・福祉・教育など解決しなければいけない問題が山積みです。次の選挙には一人でも多くの人に投票に行ってもらって、医療・福祉・教育に後ろ向きな人にはレッドカードを突きつけましょう。そして限りある命です。「これから100年」、笑顔で喜び溢れる素晴らしい社会を実現させていきましょう。もちろん人に頼むだけでなく、自らも率先してその(さきがけ)になるように頑張りましょう。

 

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医学博士・歯科医師 林 春二