祐介先生・牟田さんこんばんは。
毎日のようにオリンピックに出場する選手が決まり、みんながウキウキしてもおかしくありません。しかしどこか心から喜べないのはどうしてなのでしょうか。やはりリーダーの「一言」にあるのだと思います。リーダーはうまくいっている時は「あれやれ、これやれ」で、うまくいくかもしれません。一旦つまづくと「あれやれ、これやれ」だけではうまくいきません。まず今回うまくいかなかったのですから「素直に謝る」ことです。素直に謝るためには「素直な心」にならなければ「辻褄合わせ」「言い訳」の弁解になってしまうか、反省もしないで次の課題に移ってしまいます。ところがスタッフは自分達が指示されて動いていますから、「誰に問題があって、どうすることがいいことなのか」みんな分かっています。そんな時、言い訳もしないで「申し訳なかった。今度はこうしよう」などと言われたら、十分だとは言えなくても「可能性」に期待できます。つまり明るい気持ちになれます。それでうまくいくことがあるかもしれませんが、これだけでは十分とは言えません。先見性を持ち、常に最善の策を取り続けられたらいいですが、そんなことは夢の世界のことです。失敗もあればうまく行くこともあります。ここで大切なのは、スタッフがやりやすいようにしっかりサポートして黙ってみていることが大切です。逆にうまくいかなかった時、リーダーとして文句を言う前に「素直に謝ること」です。ただ謝るだけでは芸がありません。周りから見て、協力してくれていたスタッフの「意見を聞くこと」です。一緒に仕事していた仲間ですから、良いことも悪いことも見ています。こんな時、基本的に間違うはずはなく、見過ごしてしまったことが少なくないはずです。そこでみんなで力を合わせてやり直したらいいのです。それが「一致団結」です。
私は診療室で、患者さんに「これから百年、今の状態を守りましょう」とメインテナンスに来る人に声をかけています。中には「えっ!100歳までですか?」という人も少なくありませんが、「いやこれから100年です。みんなで世界最高のシーラカンスになりましょう」と声を大きくして言います。人生80年と言われていたのに90歳になり、「夢の100歳」ももうすぐそこに来ています。すると大概の人は「もういいや。いつ死んでも・・・・」と言います。生まれてきたらいつかは死にます。しかも80歳を過ぎ、体が言うことをきかなくなってくると「もういつ死んでも・・・・」と言うものあながちウソとは思えません。ゴールが目の前に見えるからです。しかし、これから「100年」というと遥か彼方です。様々な努力をしなくてはなりません。それが活力になるのです。それまで年相応の顔をしている人の顔にも「笑顔」と共に赤みが差してきます。それが何よりの活力なのです。何かあった時、「素直に謝れない」のなら、せめて相手にやる気を出させるウイットが必要なのではないでしょうか。
2021年6月25日
医学博士・歯科医師 林 春二