祐介先生、牟田さん、こんばんは。
4月も2週目となり、日に日に暖かさが増す中、私の地元栃木県那須ではすでに桜が散り始めました。祐介先生の東京はどうでしょうか。
4月になるとこの時期には多くの若者が新たな門出を迎える時期でもあります。
今日の放送でもご紹介されると思いますが、先日ハロアル会長林先生より、2019年度に参加をした高校生横田さんが見事難関を突破して福島県立医科大学医学部に合格したというご連絡をいただきました。本当に嬉しいことですね。
そんな嬉しい便りの中、先日2020年度のハロアルに参加をした栃木支部の柏瀬さんからも、今年高校を卒業して春からは新潟大学歯学部に進学する報告を受けました。
お手紙には「ハローアルソンの活動で人のお役に立つことの喜びを体験し、貴重な経験を沢山させていただきました。これからもハロアルで学んだことを様々な面で活かしさらに成長していきます。」とつづられ、「これからも何か役に立つことがあれば是非参加させてください。」と書かれていました。
この活動は主に歯科治療や医療支援を軸としていますので、参加をする高校生たちも
必然的に医療や福祉といった方面に興味のある人が多く集まるのも事実です。しかし
それだけではなく、夢や将来に対し漠然とした悩みを抱える人や、自分自身を変えようと“きっかけ”を求める高校生も少なくはありません。以前、番組に出演してくれた榎本さんや彼女たちのように一生懸命勉強をし、自分の夢に歩みだす高校生たちもとても
素晴らしいと思います。しかし、1日100円で生活をするフィリピンのスラムの人達との出会いによって自分の中の何かが変わり、今まで生きてきた世界を新しい目と、新しい心で歩む若者たちも私たちは応援しています。先日は6年前に参加をしてくれた高校生が美容師になり、友達と集めた歯ブラシを届けたいと連絡をくれました。懐かしい声を聴きながら「元気にやっているか?」と尋ねると「先生、今年はコロナで現地活動ができないけど頑張ってね。」と私の方が励まされました。
16年前に始まったハロアルの活動には延500人以上の高校生が参加をしてくれています。その中にはすでに「親」になっている人もいるでしょう。その彼らがいつか、私たちと一緒に現地で共に活動したあの場面を次の世代に語り、このバトンがずっと繋がってくれたらどんなに嬉しいでしょうね。
私は柏瀬さんに報告のお礼のお手紙を書きました。
その最後の文中には私が16年前、会長林先生からいただき、この活動を始めるきっかけにもなった言葉を送りました。「一、歯科医師の前に、一人の人間であれ」
どんな道に進むにせよ、ハロアルの高校生たちがいつまでも「心」を大切にする、
そんな大人へと成長して欲しいと願います。
2021年4月9日 ハローアルソン・フィリピン医療を支える会 団長 関口敬人