2021.03.19 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 桜の開花が各地に広がり、春本番になってきました。緊急事態宣言が2週間延ばされていた首都圏も、ようやく宣言の終了が発表されました。コロナの感染者は少なくなったとは言え、徐々に増加傾向にあります。コロナの感染者は人との接触がなければ起こりません。この未知の感染症を退治する最良の方法は、人との接触を断つことです。こんなに文明が進んで、欲しいものは何でも手に入れられるだけでなく、宇宙にいる宇宙飛行士と簡単に交信できる時代だというのに変な話です。「人は石垣~人は城~」と武田節に唄われているように、人は強い石垣にもなり見上げるほどの立派な建物のお城よりも、もっと大きな存在になるというのに・・・・。目で見ることの出来ないウイルスによって、一片(ひとかた)もなく崩れ去ってしまいました。昨年来のコロナ騒動の中で人の絆のもろさを感じました。「他の人はどうでも、自分さえよければ」というあさましさです。普段は何もなく、平穏な時はいかにも人と人との繋がりが、言い方を変えれば「絆」が大切とわかっているのにです。その言葉の大切さは2011311日に突然襲った東日本大震災の時のことです。この言葉は被害を受けていない人々が、被害を受けた人々に寄り添った言葉のように思います。つまり被害を受けた人が余りにも気の毒に思えたので、被害を受けた人をどこまでも支えようという思いやりの心が「絆」という言葉になって、どこまでも一緒に頑張りましょうという言葉になったのだと思います。健常者が障害と共に生きている人にかける言葉のようにも感じます。日本人どころか世界中の人が困っていると「お互い様」という言葉は全く聞かれません。自分が生きるのが精一杯で、ゆとりも思いやりも出ないからなのでしょう。緊急事態宣言が出てから、飲食店の経営者の皆さんから聞かれる言葉は自分の都合ばかりで、「私より(だれだれ)の人が大変そうだから、そちらの人を優先させてください」という思いやりや優しさの言葉は聞かれないことが寂しいです。

 ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアで接している人達は、家があってもツギハギだらけ、着ている物もボロボロ、食べることさえも出来ない人達です。一日に一食しか食べられない人でさえ、「私よりももっと困っている人がいるので、そちらを先に」と一生に一度しか巡り会わない「神様のチケット」と言われているハローアルソンのチケットでさえ回してくれる人達がいるのです。日本の場合は今まで十分豊かでした。今でもやり繰りをすれば何とかなる人達でさえ我先にという風潮です。どちらの人達が本当に豊かなのかわからなくなってしまいます。

 それでは今夜の歯の一口メモです。おいしさを感じるのは上下の歯でしっかり噛み砕きすり潰して、食べ物から出た汁分を飲み込む時、のどで感じる味が最高です。虫歯や歯周病で歯が痛くて噛めなければ、この味を楽しむことが出来ません。「歯」と「歯肉」をしっかり磨くハロアルミガキで大切な咀嚼器官の口の健康を守りましょう。

2021319

 

医学博士・歯科医師 林 春二