2021.03.12 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 昨日は東日本大震災が起こった11日。各放送局も特別番組を組んで当時の状況を事細かに知らせてくれ、改めて当時のものすごさを思い起こしました。尊い命を奪われた皆さん、そして命は助かったかもしれませんが、身近な人が奪われてしまい大変な思いをされた皆さんに心からお見舞い申し上げます。特に福島県の皆様には、地震に加えて、原発の事故で更なる苦しみを背負わされ本当にご苦労様でした。今更ですが一日も早い復旧を心から望んでおります。

 遠くに住んでいる私達は「もう十年も経つのか」という思いですが、震災を受けられた皆様にとっては血のにじむような10年だったろうと思います。震災から今日までの間、同じ被災者の中でも、保障される額や、仮設住宅に入れるか否かが違って、釈然としないことも多かったと思います。火災保険や地震保険に入っていて、すぐに家を建てられる人は別として、そういう準備の全くなかった皆さんには長期間住める住宅を提供して欲しいです。市町村または都道府県の土地を使うのですから多少の不便はあるかもしれませんが、コミュニティーバスなどでカバーしてもらいましょう。災害の多い我が国の社会保障を基本的に考え直すことです。菅総理の言うような「自助・共助・公助」ではなく、困ったときには国がしっかり生活を支える態勢を一日も早く整えてほしいです。何かが起こってから泥縄を編むようなやり方では、いつまでたっても悔いの残ることばかり。今回のコロナウイルスも同じです。このコロナ禍も、もうしばらくすると落ち着くかもしれませんが、「尖閣列島」に中国の公船が出没している問題はどうするのでしょうか。我が国の領土が侵害されては困ります。この対策もしっかりしてください。

卒業式を迎えている皆様、世界中がコロナのパンデミックになっている中ご苦労様でした。これも時間が絶つといい思い出に変わっていくでしょう。そして皆様はほんの小さなウイルスだって人生を左右するくらい大きな問題になることを、身をもって体験することが出来ました。「この苦しい生活の中でさえ生きていけるんだ」という自信は皆様を一回りも二回りも大きくしてくれたと思います。コロナのパンデミックは、皆様の明るい未来にほんの少しは影響したかもしれませんが、このことによって「何事にも負けない心」や「やり抜く工夫」は、それ以上に大きな力となって皆様を祝福してくれるでしょう。それでは歯の一口メモです。「歯は命の源」です。普段は感じないかもしれませんが、不幸にして災害に遭った時、温かくておいしい食事にありつけるなんてあり得ません。冷たくて硬い食べ物であったとしても、健康で何でも食べられる歯だったら、そんな時でもしっかり噛むことが出来ます。そして不幸の最中にいたとしても空腹が満たされれば、やる気が出てきます。常に最悪のことを頭に描いて、いつでも出来る「歯」と「歯肉」をしっかり磨いて英気を養っておきましょう。それが危機管理の基本です。

2021312

 

医学博士・歯科医師 林 春二