2021.03.05 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 日ごとに花の便りが聞かれるようになり、コロナ禍に関わらず明るい気持ちにさせられます。テレビでは、毎日2011311日に起こった東日本大震災のことが放送されています。あの大災害と福島原発の大事故も、10年経ってみると私達の意識は全く違ってしまっています。悲しみに打ちひしがれた人々にも、次のステージに向かって動き出す元気が出てきている人も沢山いると思います。当時まだ小さかった人達も成人に達し、明るい未来に目が向いている人達が増えていくには十分な時間だったのでしょう。しかし当時すでに元気に働いていた人達にとって、それ以前の生活、被災後の生活のギャップが大きすぎて、どうしてもそのトラウマから(のが)れられない人達も沢山います。さらには当時すでに高齢期に入り人生の最終ステージを楽しもうとしていた皆さんにとって、あまりにも大きな災害だったために立ち直るエネルギーが湧かなかった人達も多かったと思います。一人でも多くの人に幸せになって欲しいです。

私は災害が起こるたびに国の保障制度の貧困さについて口が酸っぱくなるように言ってきました。「お金持ちも、そうでない人も国が生活できる家と生活費を保障して欲しい」ということです。地震で家に住めなくなった人には今の仮設住宅に少し手を入れて、その後普通に住める住宅を提供したらいいと思います。今の仮設住宅でも1戸あたり500万円はかかるのです。もう2300万かけたら、しっかりした家になります。もちろんお金のある人は自分ですぐに立て替えたらいいと思います。現在の株式投資で得た税金に対する課税と仕事で得た所得の課税率の違いを考えたら、やろうとさえすればすぐに出来ると思うのです。政治家の皆さん、行政の皆さん、理論も大切ですが被災された人々を救うのは理論や理屈ではありません。思いやる心と実行する心です。一日も早く実現することがこれまでの被災者に対する罪滅ぼしになることを心してください。

今週の2日に群馬県安中市にある新島学園高校に、関口団長、今西先生、根本先生と4人で講演に行ってきました。この講演は「今年高校1年になってようやく、今年はハローアルソン・フィリピン医療ボランティアへ行くことが出来ると思っていたのに、コロナ禍で行けなくてつまらない」と担任の須川先生のところに訴えてきた高校生がいたそうです。そこで先生から、「このハローアルソン・フィリピン医療ボランティアは現地に行かなくても出来ることがあることを話してほしい」というお電話をもらいました。喜んで引き受けさせてもらいました。そして雨の降りしきる新島学園高校の大きな階段状の礼拝堂で話をさせてもらいました。その話の内容は、祐介先生が番組内で話してくれると思います。

それでは歯の一口メモです。歯は一生の宝。病気を予防するのも苦難を乗り越える力も全てよく噛んで唾液をしっかり出すことです。

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医学博士・歯科医師 林 春二