祐介先生・牟田さんこんばんは。
寒い日が続きますが、寒い中でも関東では春一番が吹き、暦の上だけでなく春がもうすぐそこまで来ていることが分かります。
コロナの第三波も次第に落ち着きを見せ始めました。これは皆様の協力があったればこその結果です。本当にありがとうございました。もうしばらくの間、出来るだけのことをみんなで協力してやりましょう。「出来るだけ」というのは、「出来る人はやってください」ということではありません。リスナーの皆様自身が率先してやって欲しいということです。口で言うだけなら誰にでもできます。けれども効果はありません。実際に自分がやってみせて周りの人から納得されて、初めてやっていることになるのです。今からみんなでシッカリやりましょう!
先週、祐介先生がデンマークの大学生について話しました。ヨーロッパの大学は全て国立。だからお金はかかりません。それどころかデンマークでは大学に入ると学生年金がもらえますから、親元から大学に通う人はまずいません。仲間と一緒にルームシェアして年金を有効に活用しています。相手が同性のこともあれば異性のこともあります。それでも周りの人達はとやかく言いません。国立同士ですからデンマークのコペンハーゲン大学に入っている学生は、ドイツのフランクフルト大学にも簡単に留学できます。もちろん特別な入学金などかかりません。
一方、学生も親にお金を出してもらって大学に行くわけでありませんから親の指図は受けません。むしろ親に対して感謝するというより、学費を出してくれる国に対して感謝をするくらいです。大学受験に際しては学力一辺倒ではなく、ボランティアや様々な体験が考慮されますから日本のように考え方や生き方に問題を抱えている学生は少ないと言えるでしょう。そしてここが一番違うのは、大学は勉強に行くところで日本の大学生のように夕方から夜にかけてアルバイトをして学費を稼いだり、生活費を稼いでいる人は全くいません。夜の12時まで大学の図書館が開いているので勉強している学生ばかりです。日本の学生に参考にしてもらいたいのはここです。大学は単に学力をつけるだけでなく、人間形成をすることがとても大切だと言う人もいますが、デンマークではこの部分でも日本以上です。一人でこそこそ勉強するのではなく、グループ学習をしたり結果を出しています。民主主義の基本的なルール、発言したり決まったことは実行するという精神をここで養っているのだと思います。
国の言うことや、やることを全面的に肯定するのではなく、誤っていることには堂々と反対意見を言いますし、決まったらそれぞれの思いと違ったとしてもしっかり協力します。これをしなかったら、民主主義は成立しないからです。こういうところが私達日本人から見たら、とても素晴らしい所で見習いたいところでもあります。ハローアルソン・フィリピン医療ボランティアの基本的な考えはここにあります。
2021年2月5日
医学博士・歯科医師 林 春二