2020.12.11 林会長のお便り

 祐介先生・牟田さんこんばんは。

 師走もだいぶ押し迫っている中で日本中にコロナの感染者があふれ始めました。昨日の発表では全国で2,970名、東京で602名、重症者543名と過去最多を記録して医療の限界を超え始めました。北海道と大阪では、ついに災害地に派遣する自衛隊の医療班まで応援に出動です。リスナーの皆様は、なんで沢山病院があるのに受け入れられないのだと思うかもしれませんが、病院にはそれぞれ特徴や専門があって、どこの病院でもコロナ感染者対策がしてある訳でなく、受け入れたくても受け入れられないのです。

 そもそも菅政権は、「コロナ対応優先政権」とか言っていましたよね。それなのに秋から冬にかけ、今までのインフルエンザに加えてコロナ感染症が同時に起こったらどうするのか本当に考えていたでしょうか。第一波の時は、ともかく「怖い感染症」だということしかわからなくて「右往左往」しました。大型クルーズ船ダイヤモンドプリンセスの時には、感染者と非感染者を区別して対応することさえできず、568名の感染者を出してしまいました。この経験から「接触」が一番危ないということがわかり、第二波はそういう経験を通して感染者と非感染者を接触させないためにマスクを着用し、「ソーシャルディスタンス」の考えが生まれました。「3密」(3つの密を避けることから、部屋を閉鎖しない・大声を発しない・密接の場をつくらない)を守る大切さと多くの善良な国民の勤勉さと、企業や学校がオンラインの活用によって接触の機会を限りなく抑え、病院のパンクを未然に防ぎました。これとて政治力ではなしに、国民の誠実さによって救われたに過ぎません。この間、国民はPCR検査をして早く感染者を見つけるように声を上げましたが、「あのせいだ」「このせいだ」と政府は重い腰をあげませんでした。そして第三波では大きな被害が出てしまいました。「Go to ~」で経済を優先させると言っていますが、本当のところは利権がらみで止められないのではないかと思います。国民の多くや識者が「Go to ~ を一時的にでも止めたほうがいい」と言っている内にコロナは全国に広がっています。「Go to ~」が始まる前は全国で25,000名だった感染者も11月には6.5倍の148,000名に跳ね上がり、昨日まででは172,416名で何と7倍になっています。政府はお題目のように、「Go to ~によって感染者が広がったというエビデンスはない」というばかりで、政策と言えるものは何もありません。コロナ感染者の第一の搬送先を国会か厚労省にしたらいいのです。国会にも厚労省にも数多くの医師がいます。そこでどこの病院に行ったらいいか振り分けてもらいましょう。そうでもしなければこの国会議員の目は(さめ)ませません。政府の要人は、コロナ感染者と直接接していないから気楽でしょうが、現場のDrや看護師さんだけでなく病院のスタッフ全員と、その人達を支えている家族の皆さんまでが風評被害に遭いながら日々の勤務をしているのです。病院の支援金にしても4分の1しか払われていません。こんな時こそコロナを受け入れている病院には、一病院当たり1億円を大至急支払い、あとで清算してもらえばいいのです。全く何をしているのでしょう。プンプン。

20201211

 

医学博士・歯科医師 林 春二